週末の過ごし方

椅子が目的になる宿。『界 奥飛騨』で
ものづくりに触れる、1泊2日の学び旅。

2026.03.27

椅子が目的になる宿。『界 奥飛騨』で<br>ものづくりに触れる、1泊2日の学び旅。

食事、温泉、自然の織りなす風景。岐阜県・奥飛騨温泉郷平湯にある『界 奥飛騨』では、そんな旅の楽しみに加えて、世界にひとつだけのスツールを土産に持ち帰ることができる、特別なプライベートツアーを開催中。そこには、飛騨の伝統的なものづくりに触れながら、学びを深める大人の旅が待っている。

729通り。自分の好みを
再発見できるスツール作り

02_【界-奥飛騨】手業のひととき_飛驒産業_スツールづくり_刻印
プライベートツアーを記念したロゴ

2024年9月にオープンした、星野リゾートの『界 奥飛騨』。飛騨牛を使った会席料理、源泉掛け流しの温泉、そして北アルプスの雄大な自然を満喫できる、心を潤す大人の宿だ。

宿泊するだけでも十分な満足を得られる『界 奥飛騨』だが、昨年末、宿泊者限定プライベートツアー「匠の心と技にふれる、ひとつだけの家具づくり」をスタートし、さらなる旅の楽しみを提案。飛騨伝統の家具づくりを見て、聞いて、体験して学べる内容で、旅慣れた人をも魅了する、人気ツアーとなっている。

03_【界-奥飛騨】手業のひととき_飛驒産業_スツールづくり材料選び
まずはパーツ選び。ホワイトオーク、ピーチ、ウォルナットなどの家具を製造する際の端材が準備されている
04_【界-奥飛騨】手業のひととき_飛驒産業_スツールづくり_組立イメージ
次は、組立。『飛騨産業』のスタッフによるサポート付きで、初心者でも安心
05_【界-奥飛騨】手業のひととき_飛驒産業_スツールづくり塗装
最後は、天然オイルを塗って仕上げる。完成品は、その日のうちに持ち帰られるのもうれしい

目玉は、創業100年を超える家具メーカー『飛騨産業』の職人に教わりながら取り組む、スツール作りだ。体験できる工程は、大きく分けて3つ。パーツ選び、組立、塗装。完成品のバリエーションは、なんと729通りにも及ぶ。豊富な選択肢のなかから好きなパーツを組み合わせ、感性の赴くままにスツールを作り上げていく。その体験は、日々のデスクワークでは得がたい達成感をもたらし、自分の好みをあらためて見つめ直すきっかけにも。

06_スツール
完成品のイメージ。『飛騨産業』オリジナルデザインのスツールは、自宅のインテリアにもすっとなじむ

あれこれ悩みながら作ったスツールは、飛騨家具の伝統に裏打ちされた品格と、天然素材ならではの素朴さを併せ持つ。「座るのがもったいない!」と、ツアー参加者からの感想も寄せられているという。その理由は、ただ特別なスツール作り体験によるものではない。ツアー序盤に予定されている工場見学が、スツールの特別感をいっそう高めてくれるのだ。

地元の木工産業をリードする
『飛騨産業』の職人技を見学

07_【界-奥飛騨】手業のひととき_飛驒産業工場見学_全体イメージ
2011年に新設された、家具製作の中核を担う第一工場を見学。職人を含め、スタッフは約200人が在籍

創業は、1920年。飛鳥時代から続く匠文化を背景に、「無用の長物」とされていたブナを活かし、西洋由来の曲木家具づくりをはじめた、飛騨家具の礎を築いたパイオニアといえる家具メーカーだ。

SDGsの取り組みにも熱心。国産材や未利用材を積極的に使用し、林業を支えながら、持続可能なものづくりを推進している。今回のプライベートツアーでは、こうした『飛騨産業』の技や取り組みを間近で体感できる工場見学を通して、飛騨家具への知識を深めていく。

08_【界-奥飛騨】飛騨産業_椅子曲木
熟練の技が光る、曲木を施した部品を磨く風景。手仕事によって、木材に人のぬくもりを宿していく
09_【界-奥飛騨】手業のひととき_飛驒産業工場見学_組立工程
組立も一脚一脚丹精を込めて。寺社仏閣など日本建築の構造に使用されてきた「木組」という接合技術を取り入れている

工場では、木材からチェアへと生まれ変わる製造工程を順に見学できる。まずはバイオマスボイラーや木材の保管場所へ。続いて、製造現場へ潜入。そこでは、木材の削り出しや加工といった下ごしらえから、塗装や梱包などの仕上げまで、一連の工程を臨場感たっぷりに見届けられる。もちろん、特徴の曲木技術や組立作業も、チェックポイントのひとつだ。

そして、『飛騨産業』の案内スタッフによる説明を受けたら、やはり気になるのは、完成品の座り心地だろう。『界 奥飛騨』には、全室に『飛騨産業』の曲木チェアがしつらえられているので、滞在中に思う存分、その快適さを堪能しよう。

『飛騨産業』のチェアが全客室に。
北アルプスにたたずむ『界 奥飛騨』

10_【界-奥飛騨】エントランス車寄せから
2024年9月に開業。雄大な自然の中にたたずむアーティスティックな外観が、到着した瞬間から滞在への期待をいっそう引き立てる
【界-奥飛騨】特別室
49室ある客室の全てに、飛騨の伝統工芸を採用。室内の至るところに地元の歴史が感じられ、モダンなしつらえながら、ほっとするような居心地のよさが広がる

『界 奥飛騨』の客室は、全室が地域の文化に触れるご当地部屋となっている。空間を彩るのは、飛騨春慶の漆塗りを用いたウォールアートや、飛騨染めのクッション、山中和紙の行灯。曲木をモチーフにしたヘッドボードには、この地域で育まれたブナ、タモ、サクラ、ナラといった広葉樹が使用され、寝台を優しく包み込む。そして、忘れてはならないのが『飛騨産業』の曲木チェア。くつろぎの席に身を預け、ゆっくりと旅の時間を過ごしたい。

【界-奥飛騨】ご当地楽_風呂敷_1
曲木の技術を使ったバッグハンドル。界オリジナルの風呂敷と組み合わせて使用できる

ちなみに、『界 奥飛騨』の館内で開催される「飛騨の匠体験」も、見逃せない“学び”の機会だ。木工技術にまつわるストーリーについて学び、それから曲木技術を用いたバッグハンドル作りに挑戦。この特別プライベートツアーの参加者限定で、ハンドルの仕上げに使う「紙やすり」と「蜜蝋ワックス」が配布されるので、本格的な仕上がりになること間違いなしだ。

13_【界-奥飛騨】手業のひととき_飛驒産業_スツールづくり_浦谷氏_1-
飛騨産業直営店『遊朴館 HIDA GALLERY』スタッフ、浦谷大司さん。2020年の第58回技能五輪全国大会にて岐阜県内初の家具部門金賞を受賞

旅の醍醐味(だいごみ)は、地元の文化や人と触れ合えることもひとつ。このプライベートツアーでは、飛騨家具の伝統と技術を学ぶことで、そんな旅の魅力も満たしてくれる。スツール作りをサポートしてくれる浦谷さんは、人柄がにじみ出る温かい笑顔の持ち主。優しく丁寧に指導してくれた記憶とともに、スツールやバッグハンドルを自宅に持ち帰れば、思い出はいっそう特別なものに。

この春、旅の予定を決めかねているなら、宿泊先に椅子が目的になる『界 奥飛騨』を候補にしてみてはいかがだろう。

モデルスケジュール
<1日目>
15:00 チェックイン
17:30 夕食
19:15 ご当地楽「飛騨の匠体験」参加

<2日目>
07:30 朝食
09:30 出発
10:30 飛産業第一工場にて工場見学
11:30 遊朴館 HIDA GALLERYにてオリジナルスツール製作体験
13:00 体験終了

手業のひととき「匠の心と技にふれる、ひとつだけの家具づくり」
期間/毎週火曜日・金曜日で通年開催
時間10:30〜12:30(工場見学:30〜45分、スツール製作体験:1時間30分)
料金1名あたり2万円(税込)※宿泊者限定
宿泊料金:3万1000円~(2名1室利用時の1名料金 サービス料、消費税、入湯税 全て込)
場所高山市内飛産業施設(工場見学:飛産業第一工場、製作体験:遊朴館 HIDA GALLERY)

界予約センター 050-3134-8092

Text: Ryuto Seno

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