グランドセイコーがいざなう、
悠久への旅路
時はすべてに平等だったとしても、人は時間によって貧しくも豊かにもなる。ただいたずらに時間を節約し、より多くの成果を求めていては、せわしなく時間に追われて失っているものにも気づかないだろう。そしていまほど自分の時間と向き合う日常はなかった。誰もが自身の「THE
NATURE OF
TIME」を求めている。
グランドセイコーがいざなうのは、そんな時を探す旅だ。二十四節気をテーマに自然への敬意を払い、かつて広重や北斎が諸国を巡り、芭蕉が漂泊を続けたように自然と共生する人々と出会う。いつもと違う風景のなか、きっと新たな考え方や多様性のある生き方を発見するだろう。その旅こそ真の豊かな時間をもたらすに違いない。
生き物が冬眠から目覚める啓蟄(けいちつ)も過ぎれば、春の彼岸の中日、春分になる。柔らかな春光のなか、桜はほころび、満開から桜吹雪へと千変万化する。やがて花びらは、川の水面に絨毯のように敷き詰められ、花筏(はないかだ)となって流れ去る。まるではかない春の夢のように。そんな美しい時の移ろいを、淡い桜色のダイヤルで表現する。その陰影を背景に、スプリングドライブの針が滑らかに進む。
夏の始まりを告げる立夏、新緑の香りを吹き送るような爽やかな南風を薫風という。それは、入梅から光り輝く季節の訪れを予感させ、生命力に満ちるのだ。その情景を、風に揺れる緑の草原を思わせる和紙のような風合いのダイヤルに重ねる。黄金色に輝く針やインデックスは、まばゆい太陽の光を受ける向日葵のようだ。そこに毎時3万6000振動を刻む躍動感を宿す。
暑さが和らぎ、気づけば虫の声が聞こえてくる。秋の日はつるべ落とし。夜の帳(とばり)が下り、静寂に包まれるなか、心地良い夜長を楽しみたくなる。ダークブルーのダイヤルは秋分の夜を連想させ、かすかなグレーにおぼろな雲を映し出す。黄に染められたロゴは、まるで夜空に浮かぶ宵月であり、これに呼応した秒針は揺れるススキのように、自動巻きのぬくもりを伝える。
立冬から小雪が舞いはじめ、大雪へ。それは雪に閉ざされた季節を思わせるが、凛(りん)とした空気にむしろ風景は白く広がり、さえ渡る。いぶし銀のダイヤルは、太陽の光を浴びた雪面そのものだ。その繊細な風合いに加え、間断のないスプリングドライブの動きは厳寒にも跳ね回る白兎のよう。春までのつかの間、自然もまどろみ、豊かな生命を育んでいる。
掲載商品は、グランドセイコーブティック、グランドセイコーサロンおよび
グランドセイコーマスターショップのみでのお取り扱いです。