俳優・山本耕史×
セイコー アストロン「ネクスター」
お洒落の流儀――
洗練のオールブラックを実装する
圧倒的な存在感を放つ色。例えば、光の波長を吸収する黒色はその好例だろう。黒という色はワイルドであり、エレガントであり、それでいてモードな印象を兼ね備えている。質感の違いによって、時に多彩な表情を見せるのだ。だからこそ、人の心を掴んでやまない。
「Solidity&Harmonic」をコンセプトに掲げるセイコー アストロン「ネクスター」に、黒を基調としたモデルがラインアップ。セイコーの先進的な技術によって、機能とデザインの両面から時代をリードする本シリーズのブラックモデルは、それぞれが無二の個性を備えている。
日本を代表する俳優、山本耕史もまた、圧倒的な存在感で見る者の心を惹きつけてやまない。洗練のファッションに身を包んだ山本さんにとっての存在感とは? 「黒い時計」の魅力とは? セイコー アストロン「ネクスター」を通じて、その真髄に迫りたい。
“黒を纏う”ということ、そして時計のもつ意味
「すごくスタイリッシュで格好いい、というのが第一印象。ケースからブレスレットまでブラックで統一された時計は見慣れないぶん、手に取ってみると存在感がありますね」
開口一番、漆黒を纏った「セイコー アストロン ネクスター」3本に感じ入った、俳優の山本耕史さん。今や大舞台に欠かせない日本を代表する名優のひとりだ。
今回、撮影で登場するのは次の時計だ。まず、ケースからブレスレット、ベゼルまでを黒一色に仕立てたGPSソーラーモデル「SBXC147」。そしてケースとブレスレットを黒にブルーベゼルを差し色とした電波ソーラーモデル「SBXY041」。最後は、多角形に造形されたベゼルが印象的なGPSソーラーモデル「SBXD015」。それぞれの時計を異なる黒の装いで着けこなしていただいた。
冒頭のコメントは、オールブラックの「SBXC147」に対してのもの。搭載する「GPSソーラー」とは、GPS衛星が発する信号を手元のボタンを操作することで受信し、GPSが受信できる環境ならば世界のどこにいても正確な時刻を刻む機能を備えたソーラー時計のことだ。ここではトラッカージャケット、いわゆるGジャンにTシャツ&デニムを併せて、足元には編み上げブーツという、ワイルドなスタイリングに時計をコーディネート。
機能の説明を受けると、「スマホでの時刻調整は、アプリ連動が必要だったり、空港のWi-Fiに繋がらなかったりと意外と煩わしい。空港に降り立ってすぐワンプッシュで操作できるなんて本当に便利」と驚きを隠さない。
「さすがセイコーですよね。セイコーの時計を所有していた父は昔からすごく自慢していましたよ。僕の周りでも、一本は持っておけ、という話は出ます。日本製品がもつ信頼感は、海外の人と触れ合っていても感じます。僕自身はギターを愛好しているのですが、やっぱり国産がいちばん、って思うこともしばしばで(笑)」
国産時計の信頼性に触れる一方で、黒い時計の外観が服装に与える影響にも言及する。
「この時計は黒だから、どんな服にも似合いますね。主張があるけど、どこか控えめ。今回は黒い服に合わせていますけど、どんな服と合わせるかで与える印象も変わると思います。装いの中で時計を強調するのか、それとも馴染ませるのか、ポテンシャルは高そうです」
昔は派手色のファッションも好んでいたが、今は黒をはじめとするダークトーンがお好みで、黒いワードローブも多いそう。
「とにかく黒は合わせやすい。上下で合わせれば様になるし、目立たない。だって派手色は目立つじゃないですか。子供と一緒にいるときなんかは特に目立たないように、目立たないように(笑)。年を重ねるにつれて服装はシンプル志向になってきましたよ」
最近は特に“黒好き”に移行しているという山本さんにとっても、高機能な黒い時計は強く印象に残ったように映る。
「時計って肌身離さず四六時中着けているものでしょう。だから、時間だけがわかればいいのではなくて、相棒としての存在意義も僕の中では大きい。時計っていい趣味だと思います。30歳の節目では、記念買いのようなこともしましたよ」と、時計愛好家の一面も。
職業柄、服を着替えることが多いために普段の仕事場に時計は着けていかないが、一方パーティーなどでは楽しんでいるとのこと。このように、時計を“見る目”をお持ちの山本さんにとっても、先進的な機能を備えた真っ黒な「アストロン ネクスター」は特別なものに映ったようだ。
装う、演じる、自分と仕事について
2本目として着用したのは、純チタンのケースとブレスレットに黒色を纏いながら、ブルーのサファイアガラスベゼルを差し色としたソーラー電波モデル「SBXY041」。こちらはGPS受信機能こそないが、時刻電波を発する基地局の時刻情報をキャッチして精度を保つ機能を有する。そんな時計を共地のジャケット&スラックスというエレガントなセットアップスタイルで着こなす。
「黒いセットアップのスタイルだと、色数は必然と少なくなるから、腕元に差す時計のブルーがとっても際立ちますよね。このブルーを拾ったコーディネートをしてもいいんだろうな。この時計は、本当に装いを引き立てると思います。服がシンプルでも時計のおかげでお洒落に映りますね」
アクセサリーを着けない人にとっては、ブルーの差し色が効いたこの時計が“ちょうどいい装飾”になるとも指摘。
「黒で統一したコーディネートだと、そのまま黒一色でいくのか、それともそこにあえて小物で色を差すのかなど、あれこれ悩みます。でも、この時計はブラック×ブルーという配色だから、装いに馴染みながらアクセントにもなるという点がいい。いわゆるアクセサリーの代わりになりますよね。だから、悩まなくてOK。時計のおかげで全体が引き締まって見えるのもいい」
装うアクセサリーの話から、自然とドラマや舞台で使用される小道具の話へ移っていく。
「小道具としての時計の存在感って結構重要なんです。役どころを感じさせるために、衣装選びだけでなく時計選びを細かく決め込むことがよくあります。
例えば、仕事ができるのに着けている時計はイマイチという選び方をすると『実は表立った実績がない人』、仕事はイマイチできないのに着けている時計は立派という選び方をすると『実は家柄がいい人』、そんな具合で、時計ひとつでガラリと印象が変わる。人物像にある種の深みやリアリティを与えていくために、細かく表現を考えます。
役柄における存在感というものは−―もちろん演技も重要でしょうけど−―それだけじゃなくて、服装や靴、髪型などの装置も含めて、トータルで表現するものでもあるんです」
年を重ねて感じる「自分の時間」の価値
最後に着用した時計は、オールブラックにして、多角形のベゼルが際立つデザインコンシャスな「SBXD015」。腕元を動かすたびに、ポリッシュとマットでフィニッシュの異なる多面ベゼルがきらりと光を反射する。造形の美しさが遠目でも感じられる仕上がりだ。
そんな時計を合わせたのは、トレンドのゆったりとしたシルエットのコートを主役にスラックスをコーディネート。インナーに選んだポロシャツはネック部分をジップアップ仕様というデザインが効いている。足元には外羽根のストレートチップシューズを。大人っぽさの中にモードな印象がそこはかとなく香り立つ、そんな装いだ。
「この時計にはキャラクター性がありますね。デザインは個性的で主張があるのに、どこかシック。すべて黒のはずなのに見る角度によって表情が異なるので、奥行きを感じます」
セイコーの技術により美しく研磨したチタンや水晶をイメージしたクリスタルボックスのダイヤルパターンなども、山本さんの感じた深みのある表情を出すのに貢献。時計好きゆえに感覚的に感じ取ったものだろう。
「きっと守り続けているものがあると思うんです、セイコーの時計は。昔のものでもすごく格好いい時計がありますよね。機能やデザインを研ぎ澄ませて進化させながら今に至っている。手を抜かない姿勢、そうした技術者の方たちが育んできた時の流れが、この時計には閉じ込められていると思うんです。だから、時計っていいんですよね」
時の流れといえば、0歳からキャリアをスタートした山本さんは、子役時代を含めても、常に俳優業の最前線に身を置いている。そんななかで47歳を迎えて、より先輩格となった今、振る舞いなどに変化は生まれているのだろうか。
「根本的には変わってないと思います。昔よりは優しくなったとか、頑固になったという部分はあるのかな。変わったといえば、自分が年を重ねて、後輩たちも増えてきて、先輩たちはもっと年を重ねている。多くの後輩をもって思い返すのは、当時の先輩は自分にどんな振る舞いをしてくれていたかなということです。今の自分は、プライドもなくなって、格好もつけなくなって……、リーダーらしくはないですね(笑)」
山本流のリーダー論は、年を重ねるごとに格好つけず自然体に向かうこと。一見、自然体と反する「演じる行為」を職業とする山本さんだが、演じることをどう捉えているのだろうか。
自分自身を大切にできる人のほうが、他人の気持ちがわかるんじゃないかな。ある意味で嘘を重ねていく、そうした役者という仕事ですから、変に入れ込まないように。自分自身を大切にするようにしています」
普段からトレーニングを怠らず、鍛え抜かれた体で知られる山本さんだが、さらに自分を大切にするエピソードがうかがえた。
「俳優仲間からよく『山本くんはそんなに体を鍛えていて、もしガリガリにならなきゃダメな仕事が来たらどうするの?』って聞かれるんですよ。でも『断ります』って即答(笑)。誤解を恐れず言うならば、俳優という仕事は自分の健康や時間を削り取ってまでするものではないと考えているんです。
今後だって、俳優をやめたいわけじゃない。けれど、何がなんでもしがみつきたいものでもない。いただける仕事があれば、続けてもいいのかなという感じ。取り組める体力と精神力があって、健康でいることが何より大切だと考えています。
死ぬまで役者ひと筋って格好いいのかもしれないけれど、僕はがむしゃらに自分自身を追い詰める気持ちはありません。家族を大事に、自分の時間も大事にしていきたいですね」
自分と自分の時間を大事にすること。つまり、気負わない姿で、お洒落も、時計も、ギターも、トレーニングも、すべて楽しむのが山本耕史流。そうした豊かな時間のおかげで、ひいては役者としての存在感がさらに増していくのだろう。だとすれば、彼が進む道は、彼にとってこれ以上なく正しいものに見えてくる。
Specifications
セイコー アストロン ネクスターシリーズ GPSソーラーモデル
<山本さん着用モデル>「SBXC147」
擦り傷や小傷から時計を守るセイコー独自の表面加工のスーパー ブラックダイヤシールドを施した純チタン製ケース&ブレスレットと、質感の異なるサファイアガラスベゼルを組み合わせた、多彩な黒が味わえる一本。スーパースマートセンサーを搭載し、強い光をダイヤルが受けるとGPS衛星から時刻受信を自動で行い時刻を修正する。ソーラー充電駆動(クオーツ)、GPS衛星電波受信による時刻修正機能、純チタンケース&ブレスレット、ケースサイズ横42.7㎜×縦48㎜、10気圧防水、¥330,000
詳しくはこちらセイコー アストロン ネクスターシリーズ 電波ソーラーモデル
<山本さん着用モデル>「SBXY041」
IP加工によってブラックに着色した純チタンケースに、鮮やかなブルーを透過したベゼルを採用。これに合わせて、見返しのインナーリングやサブダイヤル外周、レトログラードのデイト表示枠にもブルーを採用。ブラック×ブルーの配色が新鮮だ。ソーラー充電駆動(クオーツ)、基地局からの電波受信による時刻修正機能、純チタンケース&ブレスレット、ケースサイズ横43㎜×縦47.9㎜、10気圧防水、¥214,500
詳しくはこちらセイコー アストロン ネクスターシリーズ GPSソーラーモデル
<山本さん着用モデル>「SBXD015」
多角ベゼルを採用した力強くダイナミックな造形が腕元に個性を与えるモデル。ダイヤルには水晶をイメージしたクリスタルボックスパターンを刻み、スーパー ブラックダイヤシールドが施されたチタンケース&ブレスレットの黒にもマッチ。強く発光するルミブライトが塗られたバーインデックスは視認性も高い。ソーラー充電駆動(クオーツ)、GPS衛星電波受信による時刻修正機能、純チタンケース&ブレスレット、ケースサイズ横41.2㎜×縦48.6㎜、10気圧防水、¥275,000
詳しくはこちらお問い合わせ先
問/セイコーウオッチ お客様相談室 0120-061-012
山本耕史(やまもと・こうじ)
1976年東京都出身。10歳で日本語版「レ・ミゼラブル」において少年革命家役を熱演。1993年のTVドラマ「ひとつ屋根の下」では、車椅子に乗る少年、文也役で一躍注目を浴びる。以降、大河ドラマ「新選組!」「真田丸」「鎌倉殿の13人」と、三谷幸喜脚本作で重要な役どころを務めるほか、演劇やミュージカルでも幅広く活動。音楽活動も長く手がけ、直近では、古澤 巖×山本耕史 コンサートツアー「DANDYISM BANQUET Ⅱ」の公演が決定。2024年1月を皮切りに全国ツアーをスタート。
公演の詳細はこちら
山本さん着用衣装
〈トラッカージャケットのスタイル〉
ブルゾン¥46,200/ジーニック(HJM 03-6434-0885)、Tシャツ¥17,600/ザ インターナショナル アート コレクション、デニム¥37,400/トリプルダブル(ともにノウン 03-5464-0338)、バングル¥59,400/アダワット トゥアレグ(アダワット トゥアレグ050-5218-3859)、
その他スタイリスト私物
〈ジャケットのスタイル〉
ジャケット¥97,900、ニット¥64,900、パンツ¥71,500/すべてエイトン(エイトン青山 03-6427-6335)、スニーカー¥42,900/オートリー(トヨダトレーディング プレスルーム 03-5350-5567)、その他スタイリスト私物
〈コートのスタイル〉
コート¥132,000/イーヴォ(トヨダトレーディング プレスルーム 03-5350-5567)、Tシャツ¥15,400/エイトン(エイトン青山 03-6427-6335)、パンツ¥53,900/ピーティートリノ デニム/PT JAPAN 03-5485-0058)、
その他スタイリスト私物
スタッフクレジット
Photograph: Tetsuya Niikura (SIGNO)
Styling(Model): Tatsuou Sakai
Styling(Still): Hidetoshi Nakato(TABLE ROCK.STUDIO)
Hair & Make-up: Kazuhiko Nishioka
Interview & Text: Masashi Takamura
Edit: Takeshi Abe
Produce: Shingo Fujioka