お酒
クラフトビールと映画。【第4回】
『ディナーラッシュ』に合う一杯は?
2026.09.30
アメリカンホップとセゾン酵母をかけ合わせたAmerican-Belgo-Style Ale。
Nara Brewingは、World Beer Cup 2026 American-Belgo-Style Ale部門にて「FUNCTION 」が金賞を受賞した実績もあり、期待が高まる。セゾン特有のスパイシーっぽさもありながら、広がりを持つ重くない甘さがふわっと現れ、果実の皮のような苦味も感じられる。温度変化に伴い印象も変わっていき、より複雑さが増して好奇心を揺さぶる。飲み終わったころにはもう一度、初めから味わいたくなってしまう、そんなビールだ。
予想を超えていく展開ということでペアリングした映画は、Amazon PrimeやU-NEXTで配信中の映画『ディナーラッシュ』。終盤まさかの展開に開いた口がふさがらず、「すごい映画を観てしまった感」満載の名作映画だ。
物語は、ニューヨークのトライベッカ区で25年続くイタリアンレストラン「ジジーノ」のオーナーであるルイスの相棒エンリコが、ギャングによって射殺されるところから始まる。 以前は昔ながらの家庭的な料理を出していたが、息子のウードに料理長を任せるようになってからメニューは一変し、革新的で洒落た料理で評論家を唸らせ、連日超満員の人気店だ。
入り口には席が開くのを待ちわびる人びと、超満員の中担当の客に気を配りながら走り回るホールスタッフ、怒号が飛び交いまるで戦場のような厨房、とにかく臨場感がすごい。ひと癖ある芸術家たちのテーブルや、クイズ大会が始まるバーカウンター、高慢な態度で困らせる料理評論家やホールスタッフの愚痴など、目まぐるしく場面は変わっていく。
食欲、性欲、支配欲など、ありとあらゆる欲望が渦巻いていて、熱量が下がることなど一瞬もない。スタイリッシュで洒落た群像劇であることは間違いないが、本作はある時点で「サスペンス映画」なのだと思い知らされる。負のスパイラルから抜け出した瞬間、きっとあなたはもう一度初めから観返したくなってしまうことでしょう。
鮎川ジュン(あゆかわ・じゅん)
アエラスタイルマガジンwebの人気企画『いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは?』の選者・執筆者。音楽家、DJ、イベントオーガナイザーなど幅広い顔を持ち、ソーシャルイシューギャラリー「SIGNAL」ではバー部門を担当。多種多様なクラフトビールを取り扱う。
SIGNAL social issue gallery
住所/東京都港区虎ノ門1-2-11 The ParkRex TORANOMON 1階
営業/火・水・木・金曜日11:00~23:00
土曜日11:00~18:00
※日・月・祝日は休み
03-6205-8220
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公式Instagram
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Photograph:Ryohei Oizumi
Text:Jun Ayukawa