週末の過ごし方
イタリアシューズ界のコンフォート化が加速!?
ミラノで開催された【第102回MICAM】取材レポート
2026.10.27
イタリア・ミラノで年に2回開催される、世界最大級の靴の国際見本市「MICAM(ミカム)」。靴のトレンドをいち早くキャッチするべく、今年9月に開かれた同展示会に潜入。昨今のイタリア靴の傾向から、ビジネスパーソンにおすすめのブランドまでをレポートする。
イタリア伝統の色気に加わった、驚異の屈曲性に注目
イタリア靴と聞いてイメージするのは、流れるような美しい曲線の色気あるデザイン。さらに重厚感あるイギリス靴に比べると、柔らかく快適な履き心地を味わうことができる。そもそもイタリア靴はマッケイ製法が採用されていることが多く、返りがよく軽快な履き心地であることが大きな特徴。今回のMICAMでは、半分に折りたためるほど屈曲性に優れたシューズが豊富で、コンフォート化がさらに加速している印象を受けた。
そうなるとデザインもカジュアルになっているのでは? と思うかもしれないが、そこはさすがイタリア。端正なデザインはそのままなので、品格ある足元をキープしながら、現代のビジネスシーンから週末のリゾートスタイルまで幅広く対応する。クラシックとコンフォートの見事な融合。イタリア靴の新たなスタンダードは、すでに始まっている。
現代のビジネスパーソンにおすすめしたいイタリア靴ブランド3選
MICAMには世界各国からさまざまなブランドが出展していたが、なかでも特に印象に残ったイタリア靴ブランドを厳選。現代のビジネスパーソンにおすすめしたいモデルとともに紹介する。
こなれ感と履き心地を両立する、靴の聖地マルケの名門「パンタネッティ」
イタリア・マルケ州のフェルモという靴産業が盛んな地域に、1975年に創業したPANTANETTI(パンタネッティ)。革の選定から裁断、染色、仕上げまでを自社工場で一貫して行っている。さらに底材までも自社で製作している、イタリアでも数少ないファクトリーブランドのひとつだ。
ブランドの代名詞になっているのが、長年履き込んだような独自のヴィンテージ感。これは堅牢なレザーを使ってストーンウォッシュなどの加工を施すことで実現しており、履きはじめからこなれた足元を演出してくれる。また、驚くほどソフトで足を包み込むような快適な履き心地も特筆すべき点。パーツを袋状に縫い合わせてからクッション材を包み込んで底を貼るカリフォルニア製法を採用することで、圧倒的な軽さと返りのよさ、極上の履き心地を堪能できる。まさに、コンフォートが求められる今の時代にフィットするシューズが揃うブランドなのだ。
南イタリアの伝統を纏う、気品漂うハンドメイドシューズ「ペローネ」
1960年代初頭に南イタリアでさまざまな超一流メゾンのOEMを請け合う工房として創業。創業者の父親から靴づくりの技術と情熱を受け継いだ兄妹が、2008年にスタートした自社ブランドがPERRONE(ペローネ)だ。
同ブランドのコレクションは、南イタリアのリゾート地を軽やかに歩くための靴をラインナップ。ドライビングシューズやモカシンがその象徴で、アッパーのU字型ステッチは職人の手作業で縫い上げている。これによって機械縫いでは出せない、足の動きに合わせた絶妙なしなりと柔らかさが生まれるのだ。また、鮮やかなカラーバリエーションも忘れてならない魅力。南イタリアの陽気な気候を彷彿させる美しい発色が、大人の足元をエレガントに彩ってくれる。
接着剤も縫製もゼロ。手作業で構築するエシカルスニーカーが話題の「フェッスーラ」
1999年にマルケ州で誕生したFESSURA(フェッスーラ)は、先進的なテクノロジーと近未来的なデザインを融合させた革新的なスポーツシューズブランド。イタリア語で「隙間・スリット」を意味するブランド名の通り、ソールに施した穴を利用した斬新な設計が大きな話題を集めた。
フェッスーラのアイコンスニーカー「チェンジ」は、その斬新な設計チェンジ・システムを採用。ソールに設けられた隙間にカラフルなゴムバンドを巻きつけて、自分で組み立てるというシステムになっている。バンドは別売りになっていて、バンドを変えるだけで何通りの表情を楽しめるというのも画期的だ。また、接着剤や機械、縫製を一切使わずに手作業で構築できるのも特徴。製造時のCO2排出量を50%以上削減するサステナブルなシューズとしても世界的に評価されている。
協力/イタリア靴メーカー協会、イタリア大使館貿易促進部
Text: Kyoko Chikama