週末の過ごし方
DESIGNART TOKYO 2026、
AURASと谷口勝彦が創る響きあう世界。
2026.10.29
日本最大級のデザイン&アートエスティバル「DESIGNART TOKYO 2026(デザイナートトーキョー2026※以下、デザイナート2026)」が、今年も10月30日(金)~11月8日(日)で開催。約25万人規模の来場者が世界中から押し寄せる祭典と連動した展示が、表参道や六本木を中心に都内各所で展開される。
Luxury Residentialをコンセプトに、ホームオートメーションをはじめ、シアタールームやハイエンドオーディオのプロダクトを、一つの住空間に統合するインテグレーターとして活躍するオーラス株式会社。ショールーム・「AURAS Residential Experience Center(オーラス レジデンシャル エクスぺリエンス センター、以下AREC)」では、デザイン照明「クラウド」を国内初展示する。
そのインスタレーションを、長年バーニーズ ニューヨークのクリエイティブ部門を率いた、クリエイティブディレクターの谷口勝彦氏がディレクション。デザイナート2026のテーマ“Hibiki”に寄り添う特別な演出について、同氏に話を聞いた。
「クラウド」の淡い光が照らす
国内初のインスタレーション
Photo by molo – @studio_molo
雲をモチーフに設計された「クラウド」。デザインを担当したのは、カナダのバンクーバーに拠点を置くスタジオ「モロ」だ。同社は代表作のスペース・パーテーション「softwall(ソフトウォール)」が、ラグジュアリーブランドの店舗の内装にも採用されるなど、空間に新たな表情をもたらすプロダクトで注目を集めている。
「クラウド」のシェードは蛇腹構造になっており、和紙に似た表情の素材で軽い。シェードからライトの明かりが透けて見える様は、まるで雲の合間からのぞく日の光のよう。空間を穏やかなムードに演出する照明器具だ。「アートピースとしても存在感があります。今回は、その美しさを引き立てるために、つるし方に工夫を凝らしました」と谷口氏は語り始める。
9灯の高さに変化をつけ、
有機的な造形美を追求
インスタレーションを構成する「クラウド」は、大中小の全9灯。うち3灯はモビールタイプで、それぞれ高さを変えて配置されている。そのつるし方に、谷口氏の美意識が息づく。
まず、ピクチャーレールを天井に設置。次に荒川技研工業の専用アタッチメントを用いてワイヤーを張り巡らし、そのワイヤーの途中に「クラウド」をつるす。なんと、その施工は「AREC」のスタッフが自分たちの手で行ったと谷口氏は言う。「ピンっと張ったワイヤーに『クラウド』を吊し、そこに生じたたわみの美しさも含めてビジュアルを成立させました。ワイヤーのたわみそのものとクラウドの曲線、それらを含めた雑然さが、ビジュアルに奥行きをもたらします」
床には、このインスタレーションのために制作された絞り染めのラグが敷かれている。雲の上にいるかのような感覚へと誘う仕掛けのひとつで、京都の老舗織物メーカー、川島織物セルコンの技術によって実現したものだ。
実は谷口氏は15年前にも同社の工場を訪れ、職人とともに絞り染めのラグを制作した経験がある。「1年くらいずっと失敗し続けて、やっと思い通りの柄に仕上げられるようになったんですよ。その時の職人全員が、まだそこで働いていて。彼らだからこそ、表現できる模様になりました」
カッシーナ・イクスシーの
チェアに座り、見上げる空
「クラウド」の演出でもうひとつ印象的なのが、照明としては低い位置につるされていることだ。これは、ラグジュアリーインテリアの「カッシーナ・イクスシー」で取り扱うチェアに合わせたもの。チェアに腰掛けて見上げると、「クラウド」が視界のフレームに美しく収まるように調整されている。有機的なフォルムの照明と、構築的で直線的な家具。それらのコントラストが、空間に独特のリズムを生み出す。
「照明器具、家具、マット、LEDウォール。それぞれ素材や形状も異なるものが同調し、響き合う。そんな空間演出を目指しました」
最後に谷口氏は、デザイナート2026のテーマ“hibiki”に触れ、今回のインスタレーションをこう締めくくった。光と家具の重奏。その美しい響きを体感しに、ぜひ「AREC」に足を運んでほしい。
「molo『cloud』×IXC『OZU』特別インスタレーション展示」
期間/10月31日(土)まで
会場/東京都港区六本木5-17-1 AXISビル3階 オーラス株式会社
「AURAS Residential Experience Center(AREC)」
https://auras-inc.co.jp/contact/
Text: AERA STYLE MAGAZINE