お酒

注目のカナダのワイン、
ノーマン・ハーディ ワイナリー - カルケール 2013
[今週の家飲みワイン]

2018.09.19

小松宏子 小松宏子

注目のカナダのワイン、<br>ノーマン・ハーディ ワイナリー - カルケール 2013 <br>[今週の家飲みワイン]

カナダワインの2本目は、カナダ南東部、オンタリオ州のプリンスエドワード郡にある、ナイアガラの滝の近辺で造られているワインだ。

シャルドネ、ピノグリ、リースリング、ミュスカデの4種のぶどうを合わせた、個性派の一本。しかも、品種別に仕込んでからブレンドするのではなく、4種のぶどうを同じタンクで混醸。数カ月のありだ澱(おり)に接触させて、より風味を高めるシュール・リー製法を適用することで、実に調和の取れたワインに仕上がっている。ひと口飲めば、キリっとしたミネラル感のあとにはふくらみのある果実味が感じられ、きれいな余韻が長く続く。凝縮感のある辛口の白ワインが好きな人であれば、きっと気に入るに違いない。

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「生産者のノーマン・ハーディ氏は、地元の造り手のなかではスーパースターです。トロントのいいレストランでは、必ず、彼のトップ・キュヴェがワインリストを飾っています。アイスワインの生産が全盛のナイアガラ近辺で、普通のワインを中心に生産している人は少ないのですが、彼は、テロワールを生かした、無理をしないワイン造りを意識していて、それが実にうまく表現されています。このワインを“カルケール”と名付けています。つまり、カルシウムを多く含む石灰岩という意味ですが、テロワールそのものをワイン名にするほど、その石灰岩の特徴がよく出ているということでしょう。香りをかぐと、石灰岩らいい、チョークのような香りがします」と梁さんは言います。

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実は、ノーマン・ハーディ氏は、この地の出身ではない。もとはフォーシーズンズホテルでソムリエをしていたが、自らワインを造りたいという思いに駆られ、ブルゴーニュの一流の醸造家の元で修業した後、南アフリカやニュージーランドなどで、ピノ・ノワールやシャルドネ造りの修業もしたのだという。ワイン造りに最も適した場所を探し求めた結果、ブルゴーニュに近いと判断した粘土質・石灰岩土壌のカナダのプリンスエドワード郡に移住した。カリフォルニアのスタイルに比べ、テロワールを重視する傾向はそうした経歴に由来する。カナダのワインのクオリティーが上がり、注目を集めつつあるというのは、こうしたカナダのポテンシャルに気付いた醸造家の参入という現象も大きいのだという。ハーディ氏の選択は、土壌のみにとどまらず、温暖化も見据えた先見の明と言えるかもしれない。

「テロワールを生かすワイン造りとは何かと言えば、農薬などに頼らない丁寧な畑仕事と、人為的に味わいを操作しないことと言えるでしょう。それが見事に生かされたノーマン・ハーディワイナリー。4種ぶどうのブレンドであるこちらは、彼の造るワインのなかでも、価格を抑えながらも、その良さをわかりやすく出した一本。シャブリより、むしろ、ずっと牡蠣に合いますよ。サーモンに合わせてもすごくおいしいですね」とも。レモンを搾るような感覚で、キリっとしたミネラル感のカルケールを楽しんでみたい。

<<ライトフット&ウルフヴィル ワインズ

  ブルーマウンテン ヴィンヤード - ガメイノワール 2016>>

Photograph:Makiko Doi

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