カジュアルウェア

ファッショントレンドスナップ72
真夏にネクタイをしてもクールに見せるテクニック!
知る人ぞ知るイタリアの老舗から学ぶ

2020.07.01

大西陽一 大西陽一

クールビズが浸透した日本。炎天下の中を歩いている人で、ネクタイをしているビジネスマンはほとんど見受けられなくなりました。

しかし、オフィスや展示会などでは少数ですがネクタイをしている人がいます。このようなジェントルマンの方々は、「ネクタイをしないと仕事モードがオンにならない!」「初めてお会いするお客さまと会うときはネクタイをするのがマイルール」という自分なりのドレスコードをお持ちになっているようです。

とはいえ、猛暑の日にアメリカの大統領のまねをして真赤なネクタイをしていると、間違いなく「暑苦しいから近寄らないで……」とマイナスのイメージになることは明白。では、どのようなネクタイをすると相手に不快なイメージを与えないで済むのでしょうか。

その答えは、この後のスナップを見ていただければすぐにわかるはずです。

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このジェントルマンのネクタイは、今年のトレンドも押さえた清涼感あるものですね。基本、寒色系(青緑や青、青紫など)の色をネクタイの色(ベース)に持ってくればいいのですが、深みのある色よりは淡くなっているほうがベター。

なかでも今年は、この方のようなパステルカラーのタイが日本でも人気で、百貨店やセレクトショップのネクタイコーナーでも見かけられます。実際このジェントルマン、顔は濃いヒゲで覆われており暑苦しいタイプの典型ですが、ジャケットとネクタイの色のおかげで、プラスマイナスゼロといった感じではないでしょうか。

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こちらが、現在購入できるものでコーディネートしたリコメンドスタイル。ジャケットを海の色のような鮮やかなブルーにすることと素材をウール×シルクにすることで、清涼感をグッとアップさせています。

スーツで、このような明るい色を使うのはかなり勇気が必要ですし、着ていける会社も多くはありません。そこでジャケットからトライすればどうでしょうか?というのが私の提案です。

ネクタイ¥24,000/マリネッラ ナポリ(マリネッラ ナポリ 東京ミッドタウン 03-5413-7651
ジャケット¥224,000/イザイア(フローエンス トーキョー https://floens.jp/
リネンシャツ¥55,000、パンツ¥44,100/ともにイザイア(イザイア ナポリ 東京ミッドタウン 03-6447-0624
靴¥65,000/パラブーツ(パラブーツ青山店 03-5766-6688
ポケットチーフはスタイリスト私物

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ネクタイは、無地ではなく小さな小紋柄入り。ベースの色は日本の伝統色のもえぎ色を少し淡くした感じで、欧米のファッション関係者はピスタチオカラーなどと呼んでいます。

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こちらのジェントルマンもパステルカラーのネクタイで涼しさをアピール。ちなみにこの方はフィレンツェの老舗テーラー「リベラーノ&リベラーノ」の創業者のリベラーノさん。スーツはベーシックなネイビーですが、ネクタイの色みとこの笑顔で好感度マックスですね。

年配の方には、「パステルカラーは派手で自分には似合わない」と思い込んでいらっしゃる方もいると思いますが、そんなことはありません。リベラーノさんを見ていただければ一目瞭然。個人的には若い方より、髪の毛が少し白くなったくらいの方のほうが似合うと思います。

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こちらは、盛夏にオススメのネクタイ3本。どれもイタリアのナポリのネクタイブランドE.MARINELLA NAPOLIのもの。このブランドのネクタイは、1994年に開催されたG7先進国首脳会議でイタリアの首相から、各国首脳にプレゼントされたことで世界中に知れ渡ることになりました。

ラグジュアリーブランドのネクタイのようなわかりやすいアイコンなどは一切使っていませんが、見る人が見ればそれとわかるオーラが出ているのがこのネクタイの特徴です。

ネクタイは左から順に¥24,000、¥30,000、¥24,000/マリネッラ ナポリ(マリネッラ ナポリ 東京ミッドタウン 03-5413-7651

掲載した商品はすべて税抜き価格です。

トレンドスナップのまとめはこちら

プロフィル
大西陽一(おおにし・よういち)

数々の雑誌や広告で活躍するスタイリスト。ピッティやミラノコレクションに通い、日本人でもまねできるリアリティーや、さりげなくセンスが光る着こなしを求めたトレンドウォッチを続ける。

Photograph & Text:Yoichi Onishi

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