カジュアルウェア
この一枚を媒介に、めくるめく世界が広がる、
ヒューマン ネイチャーのTシャツ。
2025.07.29
軽装ゆえに着こなしの手数が減るサマースタイルにおいて、主役となるアイテムの代表格がTシャツだ。色柄はもちろん、シルエットや素材使いで魅了するものもあれば、「それ、どこの?」なんて会話をきっかけに、コミュニケーションツールとして機能するものまで、選択肢は数限りない。そこでこの夏おすすめの一枚を、ラグジュアリー/ハイブランドをはじめ、自己表現を後押しするアートT、さらにこだわりのお店のスーベニアTシャツまで厳選して紹介しよう。
東京・日本橋兜町にある角打ちスタンドを併設したナチュラルワイン専門のワインショップ、ヒューマン ネイチャーのマーチT。アートや音楽など、多様なカルチャーが交差する多目的スペース「サムウェア イン トーキョー」とのコラボアイテムでもあるこちらの一枚は、スウェットとTシャツの中間ほどの厚みのあるオリジナルボディを採用。フロントには、さまざまなシチュエーションでイレギュラーに残るワインの染みと、ヒューマン ネイチャーがおすすめするブドウの品種をグリッド状に配置した。アイデア自体の秀逸さもさることながら、説明抜きでも雄弁に伝わるデザインの強度が素晴らしい。
見た目だけでなく、上品で透けにくい生地感や1枚で着てさまになる長めの袖丈とゆったりしたボックスシルエットなど、細部への目配せも効いている。Tシャツをきっかけにお店のことを調べてみると、ハードコアパンクのDIYマナーに倣った実店舗の方向性や、ナチュラルワイン=カウンターカルチャーという独自の定義付けなど、間口は広いのに、奥行きはどこまでも広がっていくような楽しさがある。かつて、“Tシャツはメディアである”というスローガンがあったが、まさにその好例とも言える一枚だ。
問/Human Nature https://humannature.jp
掲載した商品は税込み価格です。
Text: Tetsuya Sato