週末の過ごし方
東麻布のビアレストラン「KAMIKATZ TAPROOM」。
ビール好きのビジネスマンの間で密かに話題を集めている理由とは?
2025.08.01
2015年に誕生した「RISE & WIN Brewing Co.」。日本初のゼロ・ウェイスト(廃棄物を限りなくゼロに近づけることを目指す理念や活動)宣言を行った徳島県上勝町に位置するクラフトビールブルワリーだ。今年で10周年を迎えたことを記念し、東京・東麻布にある直営店「KAMIKATZ TAPROOM」をリニューアルオープン。これまで以上に「KAMIKATZ」ブランドの持つ世界観を発信していくビアレストランに生まれ変わった。
上勝町が掲げる「ゼロ・ウェイスト」の理念のもと、クラフトビールと徳島・四国の食材を中心としたイタリアンを楽しめるようにメニュー構成を一新。なんと言っても目玉はビールだ。これまで通り、「RISE & WIN Brewing Co.」オリジナルの「カミカツビール」をドラフトで提供、上勝町の特産品や規格外の農作物を活用したスタンダードシリーズとシーズナルビールを合わせて常時8種類のクラフトビール(1100円〜)を味わうことができる。
見逃せないのは「RISE & WIN Brewing Co.」の資源循環の取り組みから生まれた「ザ・バレル」シリーズ。ウィスキー熟成に使われた木樽でじっくり寝かせた特別なクラフトビールで、今回新たにグラスでの提供が可能に。
イタリアンとの最高のマリアージュ
クラフトビールとのペアリングを楽しめるように考案されたメニューは、上勝町のオーベルジュ「PERTORNARE(ペルトルナーレ)」を手掛ける表原平シェフが監修したもの。現地の食材に精通するシェフ考案の上勝町の新鮮で旬な食材を活かした本格的なメニューの一部を紹介していこう。
まず一品目は「本日の魚のカルピオーネ」(1400円)。イタリア風南蛮漬けで、徳島の市場から直送される新鮮な魚を香ばしくフリットにし、鮮やかな赤玉ねぎでマリネしたもの。キリッとした酸味にレーズンと松の実の甘みと食感がアクセントに。
注目したいのは使われている野菜だ。循環型農業によって育てられた「reRise(リライズ)野菜」を採用している。「reRise野菜」とは、ビールの醸造過程で生じる麦芽カスや都内のビルで発生した生ゴミを、専用のコンポストで液肥化。その液肥を上勝町内や近郊の農地で活用し育てた、サステナブルな野菜のことをさす。この取り組みで作られた野菜は、本来の旨みが凝縮され、甘みも感じられるものが多い。
そして「上勝アメゴのグリル ハニーマスタードソース」(1800円)。上勝の清流に育まれた幻の淡水魚アメゴをハーブでしっかりと焼きあげた一品。小ぶりなイメージのアメゴだが、焼いても食べ応えがあるよう、生産者に大きく育ててもらった特注食材を使用している。まだ見ぬ“上勝”という土地に思いを馳せて味わってもらいたい思いが込められた大切な一皿だ。
最後に紹介したいのが「上勝椎茸とサルサヴェルデのバーガー」(1800円)。上勝町の特産・肉厚な椎茸にイタリア産ストラッチャテッラチーズを挟み、香ばしくカツレツに仕上げたハンバーガー。アンチョビとパセリで作るさわやかなソース「サルサヴェルデ」を合わせ、イタリアンスタイルに。ふっかふかのバンズも甘みがあり、お肉と椎茸の味わいを存分に引き立ててくれる。
料理を華やかに彩る食器も徳島産
料理に欠かせない器も徳島からやってきた逸品ばかり。これに盛り付けられるだけで、目からもおいしさを感じられるはずだ。
CRMCS.groove(セラミックスグルーヴ)
くるくるショップ
クラフトビールのほかに、徳島すだちサワーや上勝柚香サワー、上勝どぶろくなど、徳島ならではのお酒も多数ラインナップ。ワイン好きも納得のナチュラルラインも用意した。
ビール好きはもちろん、お酒とイタリアンを楽しみたいなら、ぜひ一度足を運んでほしい。話題を呼んでいる理由がわかるはずだ。
KAMIKATZ TAPROMM
東京都港区東麻布1-4-2 THE WORKERS&CO 1階
営業時間/17:00〜23:00(フードL.O.22:00/ドリンクL.O.22:30)
定休日/水曜日
Text:Mayu Yamamoto