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スーツスクエア
新しい仕事着
「スーツスクエア」の注目ブランド、
「GOOVI」が示すドレスカジュアルの現在地
2025.10.16
2023年春にスタートしたGOOVI(グービ)は、ビジネスウェアをリードしてきたスーツスクエアが提案するドレスカジュアルのブランド。単なる休日服ではなく、スーツをはじめとするテーラードのノウハウを宿し、ドレスクロージングをベースとしたカジュアルであることが特色だ。その最新コレクションを、ディレクター高田朋佳氏が自ら着こなしてくれた。
着る人のエレガンスを引き立てるための服づくり
偶然訪れる美との遭遇という意味を込めた “偶美”、そして“GOOD VIBES(よい空気感)”という言葉をルーツにもつ、GOOVI(グービ)。ドレスクロージングの風雲児として世界的に知られる高田朋佳氏をディレクターに迎え、スーツスクエアの新機軸として大いに注目される存在だ。「ドレスクロージングの魅力を、仕事以外の場でも提案することがミッション」と高田氏は話す。
「スーツをはじめとするドレスクロージングの本質は、着る人のエレガンスを引き立てることにあると考えています。それをビジネスシーンという枠にとらわれず、より幅広いライフスタイルに向けて提案したかったという思いがグービの出発点ですね。そのために最も重要なのがクオリティー。グービはスーツスクエアが培ってきたテーラリング技術を生かしつつ、すべてメイド・イン・ジャパンの素材にこだわっています」
日本を代表する毛織物産地・尾州のファブリックメーカーと協業したオリジナル生地のセットアップ。ウールにシルクをブレンドし、伝統的な低速織機で織り上げることで、際立つ上質感を実現している。フル毛芯やハンドメイド仕様など、本格的な仕立ても特徴だ。一方、適度にゆとりをもたせた軽快なつくりや太幅のストライプ柄はカジュアル使いに好適。ニットポロを合わせてシンプルに着るだけでサマになる。ジャケット54,890円、パンツ32,890円、ニット16,390円
ドレスカジュアルを提案するブランドゆえに、グービのコレクションはノータイスタイルが基本。しかし、すべてのアイテムは、ジャケットスタイルを意識して製作していると高田氏は話す。
「リラックスしつつエレガンスを発揮するうえで、キーアイテムとなるのがジャケット。ですのでポロシャツやニット、ドローコード仕様のイージーパンツなど、カジュアル感の強いアイテムもジャケットとコーディネートすることを前提としています。テーラードウェアのカジュアルダウンって難しそう……と感じる方も、気軽にお召しいただだけます」
こちらのセットアップも尾州で織られたウールシルク生地を採用。10色もの糸を組み合わせ、ニュアンス豊かな色合いを表現しているのが特徴だ。本来は重厚なダブルブレストだが、4つボタン&パッチポケット仕様にすることで軽やかにアレンジ。フロントボタンを開け、羽織るように着こなすのがおすすめだ。袖付けはナポリスーツに見られるマニカカミーチャ。シャツのようにふんわりとした肩まわりを演出している。ジャケット54,890円、パンツ32,890円、ニット15,290円
ワーキングスタイルやライフスタイルが多様化する昨今、装いもビジネスとカジュアルの境目が曖昧になりつつある。これまで休日着と見なされていた服が仕事でも通用するようになる一方で、若い世代を中心にファッションとしてスーツを楽しむムーブメントも隆盛。ドレスカジュアルという新機軸を提案するグービは、そんな新時代の象徴とも言えるだろう。
タキシードを思わせるショールカラーのダブルジャケットは、素材使いでカジュアルにアレンジ。優れた伸縮性とハリを兼備したダンボールニットで仕立てることにより、抜群の軽さと柔らかさをかなえている。シルエットもゆったりと設計し、ガウンのように羽織れる一着だ。共生地のパンツもリラックス感のあるワイドシルエットで、ウエストはドローコード仕様。快適に、かつ品よく装いたい旅のシーンにもぴったりだ。ジャケット21,890円、パンツ16,390円、カットソー11,990円
美しい自然の色彩を最新コレクションに投影
4シーズン目となる2025年秋冬のグービが掲げるテーマは「山紫水明」。山を照らす陽光が紫色に映え、その輝きが水面を明るく照らす自然の情景を表す言葉だ。自然が織りなす表情豊かな色彩美、そして澄み渡る水のように清冽なドレスカジュアルスタイルで、そのテーマを具現化している。
パープルやワインレッド、ブルー、ブラウンなど、コレクションのカラーリングも「山紫水明」のテーマを反映。さらに軽量なニット素材なども採用し、これまで以上に軽快な着心地も実現しているのが特徴だ。
ダブルブレストスーツを軽やかにカジュアル使い
ビンテージのような表情に仕上げたヘリンボーン織りファブリックを、軽快な4つボタンのダブルブレストに。ニットとスカーフでさらりと着飾れば、レストランでの食事など格式高い場にもマッチする装いが完成。ジャケット54,890円、パンツ32,890円、ニット15,290円、チーフ参考商品
ツイードジャケットを差し色で今どきに
カントリーテイストなソフトツイードジャケットに、夕陽の輝きを彷彿させるオレンジニットでアクセントをプラス。トラディショナルなアイテムを配色の妙でモダンにアップデートしている。ジャケット32,890円、ニット16,390円、肩にかけたニット15,290円、パンツ参考商品
都会的に着こなすヘリンボーン柄コート
ウールにナイロンを混紡して軽やかに仕立てつつ、特殊な起毛加工によって上品な風合いを表現したステンカラーコートを主役に。全体をモノトーンで統一してスタイリッシュにまとめているのがポイントだ。コート54,890円、ジャケット32,890円、パンツ15,290円、ニット16,190円
スポーティーかつ上品なたたずまいが魅力
ふっくらとしたストレッチ素材のセットアップは、 従来の仕事服とはひと味違うスポーティー感が光る。キルティングジャケットはダウンブランド「タイオン」とのコラボ作で、中綿ではなく羽毛を仕込んだ一着。アウター32,890円、ジャケット28,490円、パンツ16,390円、カットソー11,990円
1982年生まれ。セレクトショップ「ビームス」のドレスクロージング部門でバイヤーを務めたのち独立。名だたる海外ブランドのアドバイザーやセレクトショップのクリエイティブディレクターを務めるなど、多方面で活躍。Instagramでは2025年8月時点で12.3万人のフォロワーを抱え、世界から注目を集めている。
「ビジネススタイルでスーツやジャケットのこだわりを追求していくと、カジュアルでもクオリティーやエレガンスを大切にしたくなってきます。見た目とともに美意識も磨かれていくのがドレススタイルの醍醐味ですよね。グービのコレクションは、そんなドレス志向の方々にもご納得いただけるアイテム揃いと自負しています。ぜひ店頭でお試しください」
Direction/Teruhiro Yamamoto(YAMAMOTO COMPANY)
Edit/Kenji Washio
Text/Hiromitsu Kosone
Photograph/Osami Watanabe
Styling/Kohei Kubo