腕時計
オメガ、 絶えざる技術革新をDNAとして継承
2017.06.24
オメガといえば「月に初めて行った時計」で世界的に知られており、その時計「スピードマスター プロフェッショナル」がアポロ13号の絶望的な危機を救ったエピソードも有名だ。最近ではオリンピックの公式タイムキーパーを2032年まで継続することが決定した。1932年のロサンゼルス大会以来だから、オメガとオリンピックの関係は100年にも及ぶことになる。
こうした華やかな話題の陰で、先進的な研究開発を続けてきた。それを端的に象徴するのが1999年に発表された「コーアクシャル脱進機」だ。長きにわたって変わることのなかった時計の心臓部を初めて根本的に改革。機械式時計では不可欠なオーバーホールの周期を飛躍的に長期化することに成功している。この脱進機を備えた画期的なムーブメントは、1万5000ガウス以上の耐磁性を備えた「マスター コーアクシャル」に発展。時計の大敵といわれる磁気の問題を、こちらも根底から解決してしまった。それまでの耐磁時計は軟鉄製のインナーケースでムーブメントを覆っていたが、オメガは発想を逆転。パーツそのものをシリコンなどの非磁性素材にすることで、従来の15倍もの強耐磁性を実現した。このためケースバックがシースルーでも磁気の影響を受けることがない。
スイス連邦計量・認定局(METAS)では、2015年から耐磁性を中心にした厳しい品質基準を設定。これをクリアした時計に「マスター クロノメーター」の称号を授与しているが、オメガのモデルが次々と認証されている。
また、金属製が常識のケースバックリングまで含めて、外装すべてがフルセラミックの600m防水ダイバーズモデルを開発。オメガのセラミック技術が格段に進化したことを示した。
今年は「スピードマスター」「シーマスター300」「レイルマスター」の60周年を記念した「オメガ 1957 トリロジー」が発売されたが、懐かしい顔の向こうには最新のムーブメントが搭載されている。こうした絶えざる技術革新が、オメガの創業時から継承されてきたDNAなのである。
問/オメガお客様センター 03-5952-4400
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Photograph:Fumito Shibasaki(DONNA)※1、Mitsuya T-Max Sada※2
Text:Keiji Kasaki(Team Spiral)