腕時計
カルティエ、 独創的な美学と優れた時計技術を融合
2017.06.24

1904年にルイ・カルティエは冒険家のサントス-デュモンの依頼で、飛行中でも瞬時に見られる時計を製作した。これが世界初の紳士用本格腕時計とされる。それまでは女性のアクセサリーと見なされていたが、この「サントス」を皮切りにメンズでも腕時計が急速に普及。女性が憧れる世界屈指の名門ジュエラーは、時計の歴史にも大きな足跡を残してきたのである。
第一次世界大戦を終結に導いた平和のシンボルとされる戦車からモチーフを得た「タンク」もルイ・カルティエの傑作だが、その形を単純にまねたわけではない。ケース両サイドをキャタピラーのように延長することで、ベルトを接合するラグも兼ねている。それにより腕時計には不可欠だった突起を取り去ったことが「タンク」の本質的な革新性なのだ。こうした合理性に裏打ちされた独創的な美学がカルティエの時計の際立った特徴といえるだろう。

21世紀に入ってからはムーブメント開発も積極化。特有の美学が時計内部まで直接的に反映されるようになってきた。スイスの時計産業集積地ラ・ショー・ド・フォンに「カルティエ マニュファクチュール」を2001年に設立して製造拠点を集約。2009年には高級複雑機械式コレクションの「オート オルロジュリー」がスタート。翌2010年には待望の自動巻きムーブメントを自社開発して「キャリバー1904MC」と命名した。この数字は前述した世界初の腕時計が誕生した西暦だ。さらに2015年にはカルティエの創業年を冠した「1847MC」を追加。これらのムーブメントをベースとして、第2時間帯表示(GMT)などさまざまなバリエーションが展開されている。
昨年もエレガントな曲面で構成されたクッションケースの「ドライブ ドゥカルティエ」が登場したが、独特のローマ数字やブルースチールの剣型針などのアイコンを忠実に継承。ロゴがはっきり見えない遠目でも、カルティエと認識できる。アイデンティティーを堅守しながらも、独創的な美学に優れた時計技術が融合。これが新時代のカルティエの魅力といえるだろう。
「ドライブ ドゥ カルティエムーンフェイズ」。エレガントなシェイプの薄型モデルに月の満ち欠けを表示する機構を搭載。自動巻き、ケースはステンレススチール、サイズ40×41㎜ ¥805,000 「タンク ルイ カルティエ」。ルイ・カルティエも自ら愛用したコレクションの原点。リュウズトップにサファイア。クオーツ、ケースは18Kイエローゴールド、サイズ33.7×25.5㎜ ¥1,010,000 「ロトンド ドゥ カルティエスケルトン ミステリアス アワー」。ローマ数字のインデックスを大胆にスケルトン化。時分針が浮いて見える。手巻き、ケースはパラジウム、直径42㎜ ¥7,700,000
問/カルティエ カスタマー サービスセンター 0120-301-757
掲載した商品はすべて税抜き価格になります。
Photograph:Fumito Shibasaki(DONNA)※1、Mitsuya T-Max Sada※2
Text:Keiji Kasaki(Team Spiral)
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