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パリの粋を体感できるロンシャン日本初の旗艦店がオープン!
2017.07.06
フランス語で邸宅を意味する“メゾン(maison)”は、現代のファッション業界においてはトップブランドを有する会社のことを指す。その大半が大規模な資本を背景に、綿密な経営戦略によって世界的な名声を獲得している。パリ生まれのロンシャンもその例に漏れない。もともとはジャン・キャスグランが1940年代に喫煙具を扱う店として創業し、パイプの保管に皮革がぴったりであったことから、やがて革製品のバッグや小物を手がけるようになった。興味深いことに、創業から一貫して家族経営を貫いている。創業者の孫であり、同じファーストネームを持つ現CEOのジャンさんは次のように語る。
「自然にそうなったということで特に意識はしていませんが、確かにメリットはありますね。経営的な面はもちろんですが、株主の意見に左右されることなく、自分たちでデザインし、ものづくりをコントロールできますから」
コスト面から海外に制作拠点を移すブランドが多いなか、ロンシャンでは現在でも多くの商品をメーヌ エ ロワール県にある自らの工房で手がけている。こうした活動が評価され、2007年には優れた技術のノウハウを有することを称える「無形文化財企業(Label Entreprise du Patrimoine Vivant)」に認定された。さらに2011年には、次世代の職人を養成するアトリエも開設した。
「革製品づくりを学ぶ場は非常に限られています。いい職人を見つけることが難しくなっていますから、私たちは自らそうした人材を育てる工房をつくろうと思ったんです。当初は採算度外視だったのですが、最近では仕事を任せられるくらいの職人が育ってきています」
そんなロンシャンと日本のつながりは長く、深い。1950年代にはすでに紹介され、70年に本格的にブランドとしてスタート。アジアでは最も早く取り扱いが始まり、初めてのハンドバッグがデビューしたのも日本だった。代表的なコレクションである「ル プリアージュ(R)」は、日本の折り紙からインスピレーションを得ている。
「日本のお客さまは品質とディテールを重視されるので、私たちも勉強になります。またカスタマイズを好まれるのも特徴ですね」
この秋、表参道にロンシャンの日本初の旗艦店がオープンする。そこではメンズ、レディースがトータルコレクションでフロアごとに展開されるほか、カスタムメイド専門のアトリエもお目見えする。あたかもキャスグランファミリーの“メゾン”に招かれたかのように、フランスならではの感性とものづくりが体感できるはずだ。オープンの日を心して待ちたい。
ロンシャン・ジャパン 0120-150-116
Photograph: Hiroyuki Matsuzaki(INTO THE LIGHT)
Text: Mitsuhide Sako(KATANA)