紳士の雑学

センスは細部に宿る、シャツのボタンの基礎知識。

2017.07.19

センスは細部に宿る、シャツのボタンの基礎知識。

シャツとタイのコーディネートは、スーツとの三位一体の調和が欠かせない。細部の形状はもちろん、その素材や色柄を十分に吟味し、TPOを踏まえた組み合わせの妙を探る。それは料理でいうところの盛り付けのようなもの。ここがマズいといただけない。大人の男の知的遊戯を“おいしく”完成させるための、基本知識をここに記す。

Button Type ボタンの種類

  • P35_ButtonType_01
    白蝶貝ボタン
    深みのある光沢と滑らかな質感が美しい白蝶(ちょう)貝で作られたもの。貝ボタンの最高峰と位置づけられ、高級なハンドメイドシャツに用いられる。
  • P35_ButtonType_02
    高瀬貝ボタン
    黄みを帯びた白色と虹色の光沢が特徴。原料の高瀬貝は手ごろな価格と耐久性の高さから、貝ボタンのなかでは最も人気があり広く流通する。
  • P35_ButtonType_03
    茶蝶貝ボタン
    赤みを帯びた茶系を基調に、虹色の輝きを見せる貝ボタン。キメの細かい真珠層が生む、温かみのあるやわらかな色調が特徴。
  • P35_ButtonType_04
    黒蝶貝ボタン
    深みのあるシルバーがまばゆいエレガントな貝ボタン。南洋黒真珠の母貝から産出される。タキシード用のカフリンクスの素材としても欠かせない。
  • P35_ButtonType_05
    ココナッツボタン
    ヤシの実を削り出して作るぬくもりを感じさせるボタン。軽量で割れにくく比較的容易に加工できる。リゾート用のシャツにふさわしい。
  • P35_ButtonType_06
    竹ボタン
    竹の削り出しボタン。経年によって深みを増す色合いを味わうことができる。ビンテージのハワイアンシャツで多用されている。
  • P35_ButtonType_07
    ポリエステルボタン
    石油由来のポリエステル樹脂が原材料。蝶貝調や水牛角柄などさまざまな天然素材の色柄を再現できる。また耐熱性にも優れ強度も高い。
  • P35_ButtonType_08
    再生PET樹脂ボタン
    PETボトルなどから再生されたポリエステル樹脂が主原料。染色技術を駆使した豊富な品数と手ごろな値段から今後の汎用(はんよう)が見込まれる。
  • P36_ButtonType_01
    猫目ボタン
    摩擦などで付け糸が切れないように、猫の目のような切れ込みのなかに糸穴を配置したボタン。ワークシャツなど酷使されるものに多用される。
  • P36_ButtonType_02
    くるみボタン
    木、金属、綿などで作ったボタン芯を布や皮革、編み地などで包んだもの。共布で服地に合わせたり、異素材でアクセントに用いたりできる。
  • P36_ButtonType_03
    スナップボタン
    凹凸を重ね合わせて留める構造のもの。糸付けタイプと特殊な金具を使うものがある。カウボーイシャツのアイコン的仕様。

POINT ボタンの厚みと大きさ

P36_ButtonType_04

高級シャツには、襟台の第1ボタンだけ身頃のものより小さく薄いボタンが使われていることがある。手の感覚だけで扱えるようにする配慮だ。

出典:永久保存版「スーツ」着こなし事典(朝日新聞出版)

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