紳士の雑学
生地の違いで印象は大きく変わる。シャツの基礎知識。
2017.07.25

シャツとタイのコーディネートは、スーツとの三位一体の調和が欠かせない。細部の形状はもちろん、その素材や色柄を十分に吟味し、TPOを踏まえた組み合わせの妙を探る。それは料理でいうところの盛り付けのようなもの。ここがマズいといただけない。大人の男の知的遊戯を“おいしく”完成させるための、基本知識をここに記す。
Material 代表的なシャツの素材
01.オックスフォード
縦糸と横糸を2本ずつ引きそろえた薄手の平織物。ふっくらとした風合いとやわらかい光沢が特徴。ボタンダウンシャツに多用される。02.ヘリンボーン
英語でニシンの骨。織り柄が似ていることからついた呼称。綾が織り成す光沢の妙が独特の高級感を生み出す。和名では杉綾織りと呼ぶ。03.ツイル
表面に斜めの畝(うね)が現れる綾織物の総称。縦糸、横糸をそれぞれ2本以上交差させて織る。光沢があり、やわらかで肌触りよく、シワになりにくい。
04.ブロード
英国でポプリンと呼ぶ、表面に繊細な横畝のある平織物。滑らかな光沢があり、使う糸が細くなるほどに光沢は増す。シャツ地の代表的素材。05.リネン
亜麻を使った織物。吸水・発散性に優れ、シャリッとした清涼感のある肌触りを生む。また、汚れが落ちやすく、洗濯に強いのも特徴。06.綿ローン
細番手の綿糸で少し粗めに織った平織物。薄手のリネン織物(ローン)を模して、そのさらさらとした肌触りと適度なハリを織り出している。
07.ドビークロス
ドビー織機で小柄な幾何模様を織り出した生地。さまざまな織り方で多様な柄が生まれる。柄が放つ独特の光沢がシャツ地に生かされている。08.シアサッカー
波状の縮みシワ部分と平らな部分が縞(しま)になった平織物。清涼感に富むさらりとした肌触りでシワになりにくい。代表的な夏向きカジュアル素材。09.コーデュロイ
縦に畝が並んだ起毛織物。強度が高く、保温性、吸湿性に優れているので、寒冷期用のスポーツウェアに多用される。綿素材が一般的。
10.鹿の子
凹凸のある編み模様が特徴の、通気性に優れた生地の総称。多種あるなかで最も一般的なのはポロシャツに多用される丸編み機のもの。11.ダンガリー
細番手のさらし糸と色糸で織られた薄手のデニム生地。耐久性と野趣あふれる風合いのカジュアル素材だが、昨今ではドレスシャツにも用いる。12.シャンブレー
縦に色糸、横に白糸もしくは縦糸の別色を使用した平織りの綿織物。綿ならではのつやと、独特の霜降りの風合いが映えるパステル色が特徴。
13.コットンフランネル
綿織物を起毛した生地。綿ネルの略称が一般的。肌触りがやわらかく、保温性に富み暖かい。冬用スポーツシャツ素材の代表格。別名フラネレット。
出典:永久保存版「スーツ」着こなし事典(朝日新聞出版)