カジュアルウェア
ファッション トレンド スナップ5
2017.08.03
ビジネススタイルのリポートが続きましたので、今回はミラノのカジュアルスタイルのなかでも超定番のシャツにフォーカス。
ホワイトとブルーでシンプルなデザインのシャツを着ているのですが、さすがミラネーゼ!!というべきスタイリングです。
トップバッターは、この御仁。
一見とてもシンプルなコーディネートですが、ただものではない!!という雰囲気が漂っています。
ホワイトシャツにも並々ならぬこだわりが感じられます。襟は小ぶりで、胸ポケットはなし。
いちばん注目したいのが着丈(裾の長さ)。
ベルトが若干隠れるくらい。Tシャツ感覚です。ここが、もう5cm以上長ければこのヌケ感は出ません。
さらに、生地は薄いドレス系ではなく、ちょっとゴワっとした質感のオックスフォード。
パンツは、ピタピタのシルエットではなく、いまトレンドになりつつある、腰からももにかけてゆったりでスソは細いシルエット。7分丈というのも夏らしくて涼しげですね。カジュアル感の強い7分丈パンツを、モードな雰囲気に仕上げています。
スニーカーの色が、ネイビー&ホワイトで統一されているのも見逃せません。真っ白スニーカーではないので、下半身がパンツからつま先までつながって見えることで、脚長効果が。
こちらの御仁もシャツのスソ出しで着丈はショート。シャツの生地は麻。
このシャツをよ~く見ると、ピタピタではなく、ほどよいフィット感なのにウェストのラインは絶妙にカーブしていています。
普通の既成の麻シャツは、脇のラインが直線的でぶかぶか気味ですが、この方のはそれとは真逆。さらに左胸にはアルファベットが4文字刺繍されています。
これは、間違いなくオーダーしたシャツですね。
さて、このおふたりのシャツのチョイスで、意外と見落としがちだけど重要な共通点があります。
答えは、長袖シャツだということ。
日本で夏の休日シャツといえば、誰しも半袖シャツを選びますよね。
ところがミラノのおしゃれな男性は、街中ではあまり半袖は着ていません。
半袖は、どちらかというとスポーツをするときや、海に行ったときに着るという意識が強いようです。
個人的には半袖&カジュアルパンツのスタイリングは、筋肉がほどよくついて日焼けした体には似合いますが、そうでないとちょっと貧相に見えがちです。
日本は暑くてそんなのできない!と言う方もいらっしゃるかもしれませんが、そこはシャツのスソを出して、袖を軽く折り上げることで温度調整できます。
ただし、そのときの着丈は短めに。
手持ちのシャツがこのおふたりとかけ離れている場合は、洋服のお直し屋さんに頼んで短くしてもらいましょう。
そのひと手間で、ミラノ風スソ出しスタイルが手に入ります。
プロフィル
大西陽一(おおにし・よういち)
数々の雑誌や広告で活躍するスタイリスト。ピッティやミラノコレクションに通い、日本人でもマネできるリアリティーや、さりげなくセンスが光る着こなしを求めたトレンドウォッチを続ける。
Photograph & Text:Yoichi Onishi