旅と暮らし
MINIのプラグイン・ハイブリッドは、都会派のガソリン代を
ゼロにするか?
2017.11.02
MINIクロスオーバーは、SUVブームのなか、人気を集める車種のひとつだ。今回紹介のMINIクーパーS EクロスオーバーALL4は、MINI唯一のプラグイン・ハイブリッドモデルで、最高出力136psの1.5リッターガソリンエンジンに、88psの電気モーターを組み合わせている。トランスミッションは6速AT。前輪をエンジンで、後輪を電気モーターで駆動する4WDである。
容量7.6kWhのリチウムイオン式のバッテリーは、リアシート下に搭載。200Vの家庭用コンセントや電気自動車専用の施設から充電が可能で、ボディーのフロント左側にあるサイドスカットル内側のポートに、ケーブルを接続してチャージする。
MINIでプラグイン・ハイブリッドというのは、その組み合わせにギャップを感じるかもしれないが、実は、MINIクーパーS EクロスオーバーALL4は、同グループのBMWに設定する2シリーズのプラグイン・ハイブリッドモデル(225xe iパフォーマンス アクティブツアラー)とコンポーネントを共有する。数多くのプラグイン・ハイブリッドモデルを手がけるBMWの先進メカがMINIにも与えられているというわけだ。
電源ケーブルのつながった姿も様になるのは、やはりMINIだからか。
MINIクーパーS EクロスオーバーALL4は、バッテリーが空の状態から200V電源によって約3時間で満充電となり、CO2を排出しない電気モーターのみのEV走行も可能。1回のフル充電でモーターだけで最長約42.4kmを走れるという(最高速度は125km/h)。
実際の使用はカタログの数値どおりにはいかないものだが、モーターのみの走行距離(最長約42.4kmの数字)を自身の行動半径と重ね合わせてみると、片道10km程度の休日の百貨店へのショッピングは問題なくこなせる。奥さまがドライブする毎日のスーパーマーケットへの買い物や、子供の送り迎えは、モーターのみの走行で十分だ。となると、日々の移動の多くは電気だけでOKということになる。
ライフスタイルはもちろん千差万別だが、距離を走らないユーザーは意外と少なくない。1充電のEV走行距離42.4kmに365日を単純に掛け算すれば1万5000kmを超える。走行距離が1年で1万kmほどにとどまるというユーザーは決して珍しくないはずだ。
バッテリーが空になってしまっても心配はいらない。ガソリンエンジンの出番となり、長距離ドライブも不安なく出かけられる。これが、プラグイン・ハイブリッドモデルならではの魅力だ。
前提条件のひとつとして自宅ガレージに電源が必要だ。それをクリアして、ごく近距離の移動を中心にしたライフスタイルを想定すると、ガソリンスタンドを訪れる回数は極端に少なくなる。もちろん電気代はプラスとなるが、CO2を走行中に排出せずに移動でき、いざというときにはガソリンで走れる。それがMINIクロスオーバーのルックスとともに実現できるのは、何よりうれしい。
ルックスの面で妥協や我慢を伴わないエコなカーライフ。まさに諸手を挙げてのウエルカムだ。
※写真は、実際の日本導入モデルと一部仕様が異なります。
※価格はすべて消費税込みのものです。
<データ>
車名:MINIクーパーS EクロスオーバーALL4
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4315×1820×1595mm
ホイールベース:2670mm
駆動方式:4WD
エンジン:1.5リッター直3DOHC12Vターボ
トランスミッション:6速AT
エンジン最高出力:136ps(100kW)/4400rpm
エンジン最大トルク:22.4kg・m(220N-m)/1400-4300rpm
モーター最高出力:88ps(65kW)
モーター最大トルク:16.8kg・m(165N-m)
タイヤ:225/50R18
車両本体価格(税込):¥4,790,000〜
MINI カスタマー・インタラクション・センター 0120-3298-14
http://www.mini.jp
Text:Haruhiko Ito(office cars)