旅と暮らし
BMW4シリーズ。
美しいクーペは、男に自信をもたらすのか?
2017.11.21
BMWは、クーペを作るのが実にうまいメーカーだ。
走りがよく、快適で、しかもルックスでも勝負ができる、というクーペに必要な条件を、高次元で実現するメーカーのひとつがBMWである。
BMWのモデルで最も多くのユーザーに愛されてきたクーペは、3シリーズのクーペだ。扱いやすいサイズと手ごろなプライスを含め、かっこいい輸入車を乗りたいユーザーにとって絶好の存在だった。その3シリーズのクーペが、4シリーズ・クーペとして生まれ変わったのは2013年。いちだんと上質なクーペへと進化した。
4シリーズ・クーペには、2リッター直4ターボ(184ps)の「420i」をはじめ、同じ2リッター直4ターボながらパワフルなエンジン(252ps)の「430i」、そして3リッター直6ターボ(326ps)の「440i」をラインナップ。そこに、スポーツ、ラグジュアリー、Mスポーツの各デザインラインを組み合わせ、トップグレードは「440iクーペMスポーツ」となる。いずれのモデルでも走りのよさを実感できるのは、BMWの真骨頂。エンジンの回転フィールや、人馬一体といえる足回りの秀逸さなどBMWのDNAが全身に満ちている。
オープンカーと比べて、より快適なキャビンを備えるのがクーペの魅力。オープンモデルは屋根を開け放つことのできる機能の代償として、クローズ時の静粛性や安心感、後方視界などはどうしてもクーペに一歩譲るものだ。この4シリーズ・クーペのキャビンもゲストを安心して迎え入れられる快適性を存分に備えている。
低くワイドなプロポーションや、長いエンジンフード、後方に配置されたキャビン、流麗なルーフライン。クーペとして求められるデザインの要件をすべてそろえる4シリーズクーペ。従来の3シリーズに比較して大型化したものの、その分、優雅さをプラスした。
2017年、ヘッドライト周りのデザインを変更。エレガントなスタイリングは魅力に磨きをかけている。
バブル時代を知る筆者にとって、BMWには特別な思いがあり、バブル後になるが、生まれて初めての輸入車がBMWだった。給料があまりないなかで無理をして、318tiコンパクトという3シリーズの廉価モデルを中古で買った。しかし、本当は、新車ショールームに並んでいたクーペが欲しかったのだ。数年後、ようやく3シリーズクーペを購入したときは、男としての自信も一緒に手に入れた気がした。
「クーペの匠」と呼びたいBMW。もちろん誤解を招かないために、クーペだけが巧みなわけではないことは付け加えておきたい。しかし、4シリーズのクーペを街で見かけるたびに、またBMWのクーペに乗りたいという思いが胸に広がる。
※写真は、実際の日本導入モデルと仕様が異なる場合があります。
※価格はすべて消費税込みのものです。
<データ>
車名:BMW 440iクーペ Mスポーツ
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4670×1825×1375mm
ホイールベース:2810mm
駆動方式:FR
エンジン:3リッター直列6DOHC24Vターボ
トランスミッション:8速AT
エンジン最高出力:326ps(240kW)/5500rpm
エンジン最大トルク:45.9kg-m(450N-m)/1380〜5000rpm
タイヤ:前225/40R19、後255/35R19
車両本体価格(税込):¥8,720,000
BMWカスタマー・インタラクション・センター 0120-269-437
http://www.bmw.co.jp
Text:Haruhiko Ito(office cars)