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ボローニャから世界へ飛躍
フルラがもつファミリーの力

2017.11.27

洋の東西を問わず、老舗と呼ばれる企業は家族経営であることが多い。親子の絆で伝統を守りながら、自分たちの技術を次の世代に引き継いでいく。だが、ただ守りつづけるだけでは、変化に追いついていけない。そのため時代に応じて外部から新しい人材を採り入れ、社内外に刺激を与えていく。こうした新陳代謝こそ、老舗のあくなき革新の源なのだ。

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アルベルト・カメルレンゴ(写真右)。2017年3月、フルラのCEOに就任。アメリカでのビジネス経験も豊富で、過去にはフォッシル イタリアのCOO、ブルックス ブラザーズ ヨーロッパのCEOを務めたことも。代表取締役社長であるジョヴァンナ・フルラネット(写真左)とともに、ブランドのさらなる成長と発展を目指す。

ファッションにおける証左として、イタリアンブランドが挙げられるだろう。イギリスやアメリカに比べ、もともとイタリアはファミリーがそのコアになっている比率が高い。

高感度な革製品でグローバルな人気を誇るフルラもそのひとつ。1927年にボローニャでアルド・フルラネットが創業、70年代にはジョヴァンナが家業を継ぎ、新たな販路を広げ、事業を拡大。ライフスタイルブランドへと進化してきた。特に今年上半期の売上は、前年比プラス23.5%という目覚ましい躍進を見せている。そのリード役を担っているのが2017年にCEOに就任したアルベルト・カメルレンゴ。数々のブランドで培ったビジネスセンスで、ファミリー企業の経営面の指揮を執る。

「私にとって、フルラはイタリアを代表するブランドでした。高い品質、丁寧な仕事、そして美しさを兼ね備えています。そうした企業の経営に参加できたことに、誇りと責任感を覚えます」

家族経営であることには、メリットしか感じない。

「社員の会社への愛着が強いですね。経営の面でも外部からの干渉がなく、長いスパンで考えられる強みがあります」

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創業90周年記念の品は日本の紋章上絵師・波戸場承龍氏とのコラボ。皇族の衣装にも用いられる小葵を表現。クラッチバッグ¥45,000(フルラジャパン 0120-951-673)

彼らが重視しているマーケットが、国別売上のシェア1位を誇る日本。ブランドにとって初の海外出店となったわが国について、アルベルトはこう語る。

「日本の市場は非常に成熟していると思います。他国の消費者よりも新しいものに敏感で、クオリティーに関して確かな目をもっていますね」

現在は経営の傍ら、デザインの監修も務めるジョヴァンナ。20回を超える来日経験を踏まえ、それぞれの国民性に共通するものを覚えると語る。

「細部へのこだわり、豊かな感性などです。一方で日本の文化は私たちとは違いますから、常に刺激を与えてくれますね。それが私たちのモノづくりに反映していると思います」

数百年を超える老舗がいちばん多いのは日本だという。フルラのアイテムに向ける私たちの熱い視線は、無意識のうちにその伝統に宿るDNAを感じ取っているからかもしれない。

問/フルラジャパン 0120-951-673
http://WWW.FURLA.COM

掲載した商品はすべて税抜き価格です。

Photograph: Yoshihiro Kawaguchi(STOIQUE)
Text:Mitsuhide Sako(KATANA)

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