紳士の雑学

トレンチコートやダッフルコートの成り立ち
イラストで解説|コートの種類や歴史、役割とは?

2017.12.04

秋から冬にかけて、屋外での装いの主役はアウターウエアとなる。ひとくちにアウターと言っても、そのスタイルは実に多様。それらの歴史をひもとき、ディテールを堀り起こし、それぞれの役割や価値に思いをはせれば、男の装いはもっと楽しくなる。

Style 代表的な意匠

1204asm01

チェスターフィールドコート

19世紀に登場し流行。現在では昼夜兼用の正装用コートの代表格。黒か濃紺もしくはグレーのウール地仕立てで、ノッチドラペルの上襟には黒のビロードをかぶせ、胸に箱ポケット、両脇にフラップ付きポケットがつく。フロントは隠しボタン式比翼仕立て、ウエストはシェイプされ、モーニングのテールが隠れる長めのレングスをもつ。

1204asm0 2

トレンチコート

第1次大戦中、英国陸軍が塹壕(トレンチ)戦用に採用したコマンドコートを出自として、そのミルスペックに裏打ちされた、いくつもの実用的なディテールを機能美にまで昇華させた、レインコートの極め付き。ベルトをキュっと締めるだけで様になるスマートなフォルムも相まって、老若男女、オンオフを問わず幅広く活躍するスグレモノ。

1204asm03

バルマカーンコート

和製英語のステンカラーコートとして日本人にはなじみ深いラグランスリーブの防寒外套。第1ボタンを開けても閉めても着用でき、襟先のボタンを留めれば襟を立てて着ることもできるバルマカーンカラー(バルカラー)仕立てが最大の特徴。19世紀末スコットランドのインバネス近郊の地バルマカーンで着用されたものが始まり。

1204asm04

ダッフルコート

ひも付き留め木ボタン(トッグル)が個性的なオーバーコート。ダッフルという名の由来は、その原形の素材となったベルギー製梳毛織物の産地名。第2次大戦中に英国海軍が防寒着として採用し認知度は高まり、おしゃれ着として決定づけたのは仏国の詩人ジャン・コクトーだ。彼はタキシードの上に淡褐色のそれをはおり夜会へと赴いた。

出典:永久保存版「スーツ」着こなし事典(朝日新聞出版)

ピーコート、キルティングジャケットの歴史とは?>>

知っておきたいチェック柄の種類はこちら>>

あなたへのおすすめ

トレンド記事

  1. 猛暑を快適に過ごす、紫外線対策&“涼やか”アイテム5選<br>【vol.2 カムズアンドゴーズのバケットハット】

    猛暑を快適に過ごす、紫外線対策&“涼やか”アイテム5選
    【vol.2 カムズアンドゴーズのバケットハット】

    小物

    2025.07.15

  2. 【ラコステ】洗練されたサマースタイルをかなえる、<br>今夏おすすめのポロシャツ。Vol.1

    【ラコステ】洗練されたサマースタイルをかなえる、
    今夏おすすめのポロシャツ。Vol.1

    カジュアルウェア

    2025.07.08

  3. 『アップルサイダービネガー』<br>いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは? #102

    『アップルサイダービネガー』
    いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは? #102

    週末の過ごし方

    2025.07.17

  4. 【すべてユニクロ】賢くリーズナブルに装う、<br>盛夏のビジカジスタイルvol.1

    【すべてユニクロ】賢くリーズナブルに装う、
    盛夏のビジカジスタイルvol.1

    カジュアルウェア

    2025.07.14

  5. 世界のベストレストランを通して見る<br>社会問題や多様性の変化とは。

    世界のベストレストランを通して見る
    社会問題や多様性の変化とは。

    週末の過ごし方

    2025.07.09

紳士の雑学