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名門靴店が考える、新春に買うべき靴10足。
【第5回】クロケット&ジョーンズ(外羽根式プレーントウ)
2018.01.16
1984年、「日本に知られていない海外の優れた靴を紹介するセレクトショップ」をコンセプトに創業したトレーディングポスト。以来、30年以上にわたり、洒落者(しゃれもの)の“足元“を支えつづけてきた。
そんなトレーディングポストを運営するプレステージシューズ マーケティング部の村井久哲さんに、いま買いたい靴を、ドレスシューズを中心にセレクトしていただいた。タイムレスな定番から、“いま”の気分を反映したモデルまで全10足。
第5回は、ノーサンプトンの名門、クロケット&ジョーンズの機能性にも配慮した一足。
創業は1879。昨年、チャールズ皇太子のロイヤルワラント認定を受ける栄誉に浴することになった老舗ブランド、クロケット&ジョーンズ。エレガントな英国スタイルの高級靴はもちろん、数々のファッションブランドの靴を手がけた経験も豊富で、フレキシブルな靴づくりにも定評がある。ここに紹介するのは、トレーディングポストからの別注により、撥水性を考慮されたものだ。
「黒の外羽根のプレーントウは、シンプルでクセがなく、エレガントさとカジュアル感を兼ね備えていて、あらゆるシーンでオールマイティーに履ける靴です。何を履いたらいいか迷ったら、まずこれを選べば間違いないというテッパンの一足。靴自体があまり主張しないので、洋服を主役にする靴ということができるでしょう。
このブリストルⅢは、昔からあるデザインですが、履きやすい新しい木型を採用しています。
特筆したいのは、この靴は、トレーディングポストから「機能性のある靴を作ってほしい」と要望し、それに応えてもらったものだということです。
アッパーには、ハイドロカーフという撥水性のあるレザーを使用しています。
ソールは、ラバー素材のダイナイトソールで知られるハルボロラバー社製。同社とクロケット&ジョーンズとは関係が深く、この新しいソールの開発にも協力を得られたようです。通常のダイナイトソールよりも凹凸感を減らし、ラバーの配合率も変えて、やわらかく、薄くすることで、滑らかな履き心地とともに、高級靴らしいドレッシーなスタイルも実現されています。
雨の日でも高級靴を履きたいというニーズは、かなり高いんです。そんな要望に応える、安心して履ける靴ということができるでしょう」
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
Photograph:Mitsugu Inada
Styling:Tomohiro Saitoh(GLOVE)
Text:Yasushi Matsuami