旅と暮らし
ポルシェ911に復活した「T」は、意思を貫く純粋さを
男によみがえらせるか?
2018.01.19
走ることを純粋に楽しむためのスポーツカーが復活した。
ちょうど50年前の1968年に、ポルシェのラインナップに登場した911T。その名にツーリングを意味する「T」を冠し、スポーツカーファンを魅了した911Tが、ファーストモデルから半世紀の時を経てよみがえった。
往年の911Tは、ドライビングプレジャーを求めた。軽量、クロスレシオのMT(マニュアルトランスミッション)、パフォーマンス向上のための機械式ディファレンシャルロックを装備した後輪駆動など、スポーツカーファン向けのコンセプトを全身に貫いていた。
「911カレラT」を名乗り復活したモデルは、3リッター水平対向6気筒ツインターボエンジン(最高出力370ps、最大トルク45.9kg・m)を搭載する。リアウインドーとリアサイドウインドーには軽量ガラスを採用。そのほか吸音材の大幅な削減や、リアシートのオプション化で軽量ボディーを実現し、パワーウエイトレシオは3.85kg/psを誇る。日本仕様はMTの設定がなく、トランスミッションはPDKのみ(写真は欧州仕様、MTのもの)だが、0-100km/h加速4.2秒、0-200km/h加速14.5秒のパフォーマンスを見せるという。
車高を20mm低くした標準装備のPASMスポーツシャシーや、重量最適化されたスポーツクロノパッケージを採用。911カレラでは選択できないリアアクスルステアリングもオプションで装備可能だ。
インテリアに目を移すと、運転席にはシートセンターにSport-Texファブリックを採用したブラックの4-way電動スポーツシートが採用され、ヘッドレストには“911”のロゴが刺繍されている。ドアトリムに設置するドアオープナーはストラップ式。これも、ぜひ掲載の写真で確認してほしい。
走りにこだわり抜いたシャシーから、軽量ガラス、ストラップのドアオープナーといった細部に至るまで、究極のドライビングプレジャーを求めた911カレラT。その存在は、ひたすら何かを突き詰めることで到達できる至上の境地があることを教えてくれる。
仕事でもプライベートでも、迎合する生き方を強いられる現代。ならば、アイテム選びには自分の思いを純粋に貫きたい。
もしも無心にクルマを走らせ、純粋に操ることを楽しむことを望むなら……、どんなモデルを選ぶべきか?
その問いに対する答えの中には、昔もいまも、「T」の名が挙がるはずだ。
※写真は欧州モデルのもので、実際の日本導入モデルと仕様が異なります。
※価格はすべて消費税込みのものです。
<データ>
車名:ポルシェ911カレラT
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4527×1808×1285mm
ホイールベース:2450mm
駆動方式:RR
エンジン:3リッター水平対向6気筒DOHC24Vツインターボ
トランスミッション:7速AT(PDK)
エンジン最高出力:370ps(272kW)/6500rpm
エンジン最大トルク:45.9kg-m(450N-m)/1700〜5000rpm
タイヤ:前245/35ZR20、後305/30ZR20
車両本体価格(税込):7速AT¥14,320,000
ポルシェ カスタマーケアセンター 0120-846-911
http://www.porsche.com/japan/
Text:Haruhiko Ito(office cars)