お酒

今週の家飲みワイン
熟成感のある酸味をコンテチーズに合わせて楽しみたい。
コート・ド・ジュラ ジャン・シャルル・メール

2018.01.26

小松宏子 小松宏子

今週の家飲みワイン<br>熟成感のある酸味をコンテチーズに合わせて楽しみたい。<br>コート・ド・ジュラ ジャン・シャルル・メール

「もうひとつ、シャルドネの味わいとして知っていると、その魅力の幅広さがわかるのが、ジュラ地方の白ワインです」と大橋さん。ジュラ地方は、フランス東部のスイスと国境を接するアルプスの麓のエリア。秋には霜が下り、3月まで雪に閉ざされる厳しい気候風土が特徴だ。そのジュラのなかでも、最大のワイン産地がコート・ド・ジュラ。105の村にまたがって600haを超えるワイン農地がある。

「ジュラの白ワインというと、『ヴァンジョーヌ』が有名ですが、それは、サヴァニャンという地ぶどうを用い、特殊な発酵をさせる濃い黄色いワインのことで、これは別もの。それ以外にも、シャルドネを使ったワインが造られています。なかでも自然派のそれが、世界的にトレンドになっています。その代表ともいえるのが、このジャン・シャルル・メールという造り手の品です」

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口に含むと、キリっとした心地よい酸をまず感じる。りんごや洋梨のような果実味も豊かで、複雑なミネラル感も魅力的だ。このドメーヌでは、天体の運行に従って農作業をするビオディナミでぶどうを栽培すると同時に、ワイン造りにおいては、極力余計な手を加えず、ぶどうにストレスがかからない自然派の造り方で醸造している。例えば、澱(おり)引きをしないことで、自然派ならではの旨みが増している。

「古い樽で醸す、酸化のエッセンスを楽しむのが、ジュラのワインの魅力ですね。何を合わせたいと聞かれれば、なんといってもチーズ。特にコンテやルブロションなど、山のチーズが最高です。パルミジャーノもいいですね」と大橋さん。それもそのはずで、ジュラ地方は、フランシュ・コンテ地方とも呼ばれ、日本人にとってはワインの知名度よりも、コンテやモンドールといったチーズのほうがよく知られるエリアなのだから。まさに必然のマリアージュと言える。

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「造り手のジャン・シャルル・メールと一緒に飲んだことがあるのですが、昔ながらのワイン造りを実践している人でした。コンテチーズを作るための乳牛の牧草地のかたすみで、ぶどうを栽培してワインを造っているのだそう。チーズに合うに決まっていますよね。熟成しているものに熟成した味を合わせる醍醐味です」
こうした個性派の一本が¥3,000ほどというのだから、ぜひ、試してみたい。

掲載した商品はすべて税抜き価格です。

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Photograph:Makiko Doi

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