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今週の家飲みワイン
いまだからあえて「牡蠣にシャブリ」と言いたい
シャトー・ド・ ベル シャブリ

2018.01.19

小松宏子 小松宏子

今週の家飲みワイン<br>いまだからあえて「牡蠣にシャブリ」と言いたい<br>シャトー・ド・ ベル シャブリ

ソムリエが家で飲みたいワイン、実際に飲んでいるワインを、テーマに沿って毎週1本ずつ紹介する、今週の家飲みワイン。「TIRPSE(ティルプス)」のオーナーソムリエであり、レストランプロデューサーとしても活躍する大橋直誉さんが、今月、3本目に紹介するシャルドネ100%のワインは、シャブリ。そのイメージを覆すうまみ豊かな一本だ。

「シャブリは、おそらく日本でワインがはやったりする前の、かなり古くから名前が知られているエリアであり、ワインの名前。しかも、牡蠣に合うワインという情報だけがインプットされてきました。だから、いまどき、『牡蠣を頼んだからシャブリを』っていうのはなんだか気恥ずかしい。シャブリというと、そんな、共通認識があるのでは?」と大橋さんは言う。

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シャブリ村は仏ブルゴーニュ地方の最北端に位置し、雪が降り、畑に電熱線を這わせなければいけないくらい寒い土地柄だそう。太古の昔は海だったところが隆起した土地で、掘ると貝殻が出るといわれるほどミネラル分が豊富な土壌。ところが、大手メーカーのシャブリというと、酸だけが際立ち、ふくよかなうまみが感じられないという場合が多い。それで、なんだ、シャブリってこんなもの、みたいに、思っている人も多いのが実情だ。

ところが、今回大橋さんがすすめてくれたシャトー・ド・ベルのそれは、酸が際立つばかりでなく、凝縮感のある、ふくよかなボディーが感じられる、実に美味なるシャブリなのだ。400年の歴史を有する古いドメーヌだが、先代が病気のせいでブドウ栽培ができなくなり、近隣に貸与した土地が農薬でカチカチになったのを見て、意を決して、娘のアテネさんがワイナリーを継ぐことに。徹底的に自然派の栽培と、発酵温度や酵母の状態など、すべてをデータ化する最先端の醸造技術を学び、新たに自然派としてぶどうを育てはじめた。なにしろ、そのこだわりは半端なく、1haのみを馬を用いて耕し、トラクターで耕した他の畑と比較するほど。結果は、馬に軍配。カチカチだった土地がふかふかになったとか。こうしてブドウそのものに力が宿ることで、昔ながらの手法で余計な手をかけずに醸したワインも、フレッシュさとミネラリーな凝縮感を併せ持つ、素晴らしいワインになったのだ。

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「より、クリーンな味わいを求めて、ステンレスタンクで発酵、熟成を行っています。加える亜硫酸も最低限にとどめています。ミネラル感がぐっと凝縮した本来のシャブリの味わいがちゃんと出ていますね。最初の酸の立ち上がり方が強すぎずに、実にいい。なぜ、シャブリが牡蠣に合うと言われたのかといえば、レモンを搾るような意味合いで、シャブリの酸が、牡蠣の味わいを引き締めるから、というもの。けれど、このくらいうまみがあると、くさみを消すという効果だけでなく、牡蠣のうまみとの相乗効果も感じられ、実においしく味わえます。ほかにはしめ鯖などにも抜群に合いますね。日本の古来の米酢との相性もいい。だから、お寿司にもいいですよ。いい意味で、シャブリの先入観を覆してくれる、実においしい、うまみのあるシャブリなのです」
早速、牡蠣に合わせて、シャトー・ド・ベルを試してみたい。

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Photograph:Makiko Doi

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