カジュアルウェア
ファッション トレンド スナップ17
2018年1月のピッティ速報。帽子が、スーツからカジュアルスタイルにまで欠かせない名脇役に昇進!!
2018.02.01
![ファッション トレンド スナップ17<br>2018年1月のピッティ速報。帽子が、スーツからカジュアルスタイルにまで欠かせない名脇役に昇進!!](http://p.potaufeu.asahi.com/a867-p/picture/11719275/3775905644910311eae49578115a4966.jpg)
1月のピッティから1カ月近く過ぎようとしているのに、速報というのはおこがましいのですが、今回は一般的なピッティのトレンド情報とは違う目線で気になるものをピックアップしてみました。
昨年の冬のピッティに引き続き、帽子が今年もコーディネートの重要なスパイスになっていました。
いままでは、ボルサリーノタイプのソフトハットにスーツといったダンディ路線が主流だったのですが、今年はキャップ、ハンチング、ニットキャップなどまで広がり、それに伴いコーディネートもブリティッシュからアメカジまで幅が出ていました。
![400_トレンドスナップ02](http://p.potaufeu.asahi.com/8c2e-p/picture/11719270/b2649f6db363328d1ddb19d6c014aba2.jpg)
その典型的な例がこのお若いふたり。いままでのピッティではあまり見かけなかったスタイルです。
左の彼は、ムートンコートにデニムシャツ、足元はエンジニアブーツで、頭には茶のハットというかなりアメリカのウェスタン・スタイルを意識したコーディネート。スティーブ・マックイーンの現代版的な感じとも見て取れます。
右の方はキャップをモードなコーディネートに違和感なく合わせています。マフラー以外はモノトーンでまとめています。シャープになりがちな色の組み合わせですが、ヘンリーネックのシャツをすそ出しで着ることによってほどよいヌケ感が生まれていますね。それと、この差し色の赤いマフラーを首に巻かないで垂らしているだけ!!というのもポイントです。
ただし、この巻き方では保温性はほぼゼロですが……。
![400_トレンドスナップ03](http://p.potaufeu.asahi.com/4b34-p/picture/11719271/6d3413193280d62730a6e065473ef22e.jpg)
こちらは、アメリカの禁酒法時代を舞台にした映画に出てきそうなハンチングキャップ&スリーピーススーツ。
帽子の素材がツイードでスーツはコーデュロイというクラシックな英国の超定番スタイルですが、なぜかモダンに見えてしまうのは私だけでしょうか……。
この御仁のスタイルが、古臭く感じないのは、ジャケットの襟がピークドラペルになっていて、ジレ(ベスト)がダブルになっているから。そしてネクタイは、ペイズリーや小紋柄にしないで、ベースがトレンドのグリーンでストライプの色が白一色というレジメンタルタイをしているところにあるのではないでしょうか。
![400_トレンドスナップ04](http://p.potaufeu.asahi.com/3dbd-p/picture/11719272/17385976caebc2028a028f12b716f89a.jpg)
冬のピッティでニットキャップは毎年人気の高いアイテム。年配の方からこの写真の御仁のような30代の方にまで幅広く愛用されています。
日本では、耳が隠れるくらい深くかぶることが多いのですが、ここフィレンツェではこの御仁のようにポコッと天辺を尖らせるロケット型にする方がとても多いのです。しかし、ニットキャップにワッペンをつけるアイデアは、ポップで斬新。手持ちのニットキャップを生まれ変わらせるテクニックとして覚えておきたいですね。
![400_トレンドスナップ05](http://p.potaufeu.asahi.com/e8c0-p/picture/11719273/0d6524ca20a4cf4ac8eb1c98294fde28.jpg)
ラストは、また女性の帽子で締めてみました。こうしたちょっとコスプレ入った女性が、今年のピッティではかなり増殖していました。
男性が中心の展示会場のなかで紅一点という感じで、とても目立つので大勢のカメラマンに撮影されていましたね。この方たちは、ピッティで服の商談やトレンドを視察するのではなく、あくまで会場内を歩くのが目的。
ピッティのスナップブームは、メンズファッションの展示会を世界最大級のインスタ映えスポットに変えてしまったようです。
プロフィル
大西陽一(おおにし・よういち)
数々の雑誌や広告で活躍するスタイリスト。ピッティやミラノコレクションに通い、日本人でもまねできるリアリティーや、さりげなくセンスが光る着こなしを求めたトレンドウオッチを続ける。
Photograph & Text:Yoichi Onishi
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