腕時計
SIHH2018 ジュネーブサロン・レポート
カルティエ
2018.02.05

新作時計の初春到来を高らかに告げる恒例の「SIHH(ジュネーブサロン)」が1月15日から19日まで開催された。昨年は毎年3月に実施される「バーゼルワールド」からジラール・ペルゴとユリス・ナルダンが移行。今年もエルメスが新しく参加したほか、カレ(Carré des Horlogers)と呼ばれる特設会場に17ブランドが出展。大型パビリオンを構える18ブランドと合わせて、過去最多となる35ブランドが競演した。ラグジュアリーな雰囲気の中で静かな熱気が漂う会場で発表された新作から、魅力的なモデルを紹介していこう。
ストラップチェンジだけでなく、ブレスレットのコマも自分で簡単に調整可能!
カルティエは世界的なジュエラーとして知られているが、20世紀初頭に紳士用の本格腕時計を先駆けて開発。それまで女性のアクセサリーと見なされていた腕時計が急速に普及していくエポックとなった。
この時計史に大きな足跡を残す傑作モデルをルーツとするコレクションをブラッシュアップした「サントス ドゥ カルティエ」が今年の新作だ。柔らかなカーブで造形された角型の気品あるフォルムとブレスレットを、滑らかな曲面のベゼルで一体化するだけでなく、機能部品であるビスをデザイン的なアクセントとして美的に昇華・アレンジしている。
それだけでなく、裏側のボタンのワンプッシュでブレスレットやストラップを着脱・交換できる「クィックスイッチ」システムを導入。ライフスタイルやシチュエーションに合わせてベルトを自由に組み合わせることが可能になった。このため、すべてのモデルに2本のベルト(ブレスレットとストラップ、またはストラップが2本の組み合わせ)が付属している。
さらに、ブレスレットのコマ(メタルリンク)も、ワンプッシュでピンが抜けて付け外しできる画期的な「スマートリンク」システムを開発。これまでは時計店などに任せるほかなかったブレスレットの長さ調整を、自分で簡単にできるようになったため、より心地良い装着感を楽しめる。「クィックスイッチ」「スマートリンク」ともに特許出願中であり、カルティエの実用的な魅力と付加価値がさらに高まったといえそうだ。
© Cartier
「サントス ドゥ カルティエ」。自動巻き(キャリバー1847MC)、ケースはステンレススチール、サイズはLM(39.8×47.5㎜)、100m防水、ステンレススチールブレスレットとカーフスキンストラップが付属、\740,000(税抜き予価)、4月発売予定。© Cartier
「サントス ドゥ カルティエ スケルトン」。手巻き(キャリバー9611MC)、ケースはステンレススチール、サイズはLM(39.8×47.5㎜)、100m防水、ステンレススチールブレスレットとアリゲーターストラップが付属、\2,750,000(税抜き予価)、4月発売予定。
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
問/カルティエ カスタマー サービスセンター 0120-301-757
プロフィル
笠木恵司(かさき けいじ)
時計ジャーナリスト。1990年代半ばからスイスのジュネーブ、バーゼルで開催される国際時計展示会を取材してきた。時計工房や職人、ブランドCEOなどのインタビュー経験も豊富。共著として『腕時計雑学ノート』(ダイヤモンド社)。