旅と暮らし
アーティストJY、思わずこぼれ落ちた涙の理由
[MUSE]
2018.03.16
伸びやかな肢体にクールビューティーな顔立ち。そしてクルクル動く瞳が魅力的な彼女は、アーティスト・JY、24歳。一世を風靡(ふうび)した韓国のアイドルグループ・KARAの元メンバーで、2014年から「知英(Jiyoung)」として女優活動もスタートさせている。JYとしての本格デビューは2016年。アルバムリリース、ライブツアーと精力的に行なってきた彼女が次に繰り出すのは、岩井俊二というクリエーターとの最強コラボレーションだ。
「岩井俊二さんに歌詞を書いていただくなんて夢のよう。MVを撮り終わった今もまだ信じられない気持ちでいるんです。岩井さんとは、私がロスに短期滞在していたとき、たまたま同じホテルに泊まっていたといううれしい偶然がありました。みんなでごはんを食べに行った帰り、月があまりに美しくて、『きれい…』と私がつぶやいたんですね。それを覚えていて、この『星が降る前に』という歌詞ができあがったと聞き、うれしくてうれしくて涙が出そうになりました」
岩井監督とのMV撮影の現場は、それ自体が映画のワンシーンのようだったと語る。
「詳しい指示はなくて、ざっくりとした説明だけ。最初は戸惑いました。でも岩井さんの頭のなかに美しいイメージが描かれているのだろうと信頼して、流れに身を任せたんです。するとすごく歌に集中できて、気持ちがよかった。特別な体験をしたと思っています」
「いま どこにいるの」と問いかける歌詞は、その相手が誰なのか、明確にはされていない。
「だからこそ、想像が広がるなと思いました。この歌を聴いた人それぞれに、自然に思い浮かぶ誰かがいるはず。その思いを大切にしてほしいなって。私も歌いながら、離れて暮らす家族や友人など、ふと頭に浮かぶ相手へ、愛を込めて歌っているんです」
目の前にいない誰かを思う曲だが、ちなみに恋愛は攻めるタイプ? 待つタイプ?
「ストレートにアプローチします。待つなんてできない。好きな気持ちを隠すことができないんです、私」
Photograph:Ari Takagi
Styling:Cheran Kan
Hair & Make up:Emi Enokido
Text:Maho Honjo