旅と暮らし
知英、竹中直人から学んだこと
[MUSE]
2018.03.22
2017年は『オーファン・ブラック~7つの遺伝子~』で連続ドラマ初主演、また公開中の映画『レオン』でも竹中直人とのW主演を果たすなど、ますます活躍の幅を広げている女優・知英。『オーファン・ブラック』は別人格の女性7人が登場するヒューマンサスペンスで、なんと一人七役を見事に演じ分けた。
「体力的には大変でしたが、演技の醍醐味を存分に味わいました。どうやって演じ分けたのかとよく聞かれたのですが、そのスイッチングの方法は自分でもよくわからなくて。しいていうなら衣装チェンジとメイクチェンジ。変わった自分を鏡で見ると、スッと役柄が入ってきたんです」
さらに映画『レオン』は、竹中直人演じるセクハラ社長とひょんなことで中身が入れ替わってしまう派遣OL役。「見た目は知英、中身は竹中直人」という、コミカルだが難易度の高い役柄を演じきった。
「コメディーは初めてでしたが、竹中直人さんと一緒だったのですごく楽しかったし、何より毎日毎日が学びでした。『なぜお芝居をやっているのか』と素朴で根本的な疑問をぶつけてみると、『ほかの人になれるのが好きなの』と明快な答え。私もまさにそう考えていたので、驚いたしうれしかった。ただ、竹中さんの変身ぶりは本当に見事で、ほんの一瞬で別人になってしまう。私もあの域を目指したいと目下勉強中です」
アーティスト・JYとしても活躍する知英だが、女優の経験がアーティストとしての表現力を豊かにしていると語る。
「いままでも思いを込めて歌ってはいたけど、お芝居を始めてからは、歌の世界の主人公になって表現するようになりました。曲に対する表現はお芝居とは別物だけど、でもそれぞれが刺激し合っていまがあると感じるんです。これからも広く深く貪欲に、外の世界を求めていきたいですね」
Photograph:Ari Takagi
Styling:Cheran Kan
Hair & Make up:Emi Enokido
Text:Maho Honjo