ファッションの街ミラノで、靴の見本市「ミカム」が開催。

2018.04.03

ドゥオーモを代表とする歴史的建築物と、最新のファッションを楽しめる街、イタリアのミラノ。そんなミラノで、毎年2月(もしくは3月)と9月に開催されているのが、国際的な靴の見本市「MICAM(ミカム)」です。

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地下鉄の終点駅「Rho Fieramilano」を降りるとすぐにある、ミラノ・ロー見本市会場。帰りは会場から、市内中心まで行けるバスも出ています。

「ミカム」は、イタリアのシューズメーカー協会「Assocalzaturifici」が主催するイベント。85回目となる今回は、2月11日から14日までの4日間開催され、総来場者数は約4万4000人。出展企業1364社のうち、イタリア国内から761社、海外からは603社が参加。今回も日本を含む、多くのバイヤーが世界中から訪れました。

「ミカムは品質とスタイルの点で、ほかにはない国際的なショーケースを探している、すべての人にとって必見のイベントです」と会長のアンナリータ・ピロッティさんは言います。「企業は世界中のバイヤーと出会うことができ、このイベントを新しい製品の立ち上げ、ビジネスリレーションの確立、そしてグローバルなマーケティング戦略のための、ユニークな機会と見なすことができます。そしてここでは、各シューズメーカーの品質、創造性、スキル、そして革新的な精神が最も効果的に示されています」

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イベントステージとなるパビリオン1の天井は鏡張りになっていて、床にプリントされたメインビジュアルが天井に映し出される仕掛けに。

今回のテーマは「VANITY(うぬぼれ、虚栄心の意)」。イタリアの靴業界が頭を悩ませつづける偽造品問題を提起し、「Made in Italy」の品質を守るため、“リアル”と“フェイク”の靴を展示するコーナーも設けられました。「イタリア国内では、偽造品により、年間60億ユーロ以上のダメージを受けています」とピロッティさん。

「シューズ産業に対する経済的損害は、約1900〜2400万ユーロ。残念なことに経済危機に発展し、多くの製造企業、特に中小企業を不安定な状況にしています。シューズメーカー協会はこの問題に関して、効果的な行動を取ることを機関に促すために、何年ものあいだ、偽造との闘いの最前線にいます。偽造された靴は経済を損なうだけでなく、検査や管理の対象とならない物質は毒性があるため、使用する人の健康を損ないます。特に子どもの靴の場合は、重大な問題になります」

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イタリアの製造業を守り、違法を防ぐ目的で作られた「リアル・アンド・フェイク博物館」の協力による展示コーナー。偽造表示の見分け方なども紹介。

靴は、イタリアにとって主要な工芸品のひとつ。コピーを防ぐため、入り口で来場者の名刺をチェック、写真撮影は NGにするなど、どのブースも情報漏洩に対し厳重な雰囲気だったのが印象的でした。

同時に各パビリオンには、訪れた人がひと息つきながら楽しめるような、さまざまな催しも開催されていました。

例えば、パビリオン1にあるメンズスクエアには、巨大なシューズのオブジェの下で靴磨きを体験できるスタンドが。ローマで知られる女性靴磨き職人、ロザリーナ・ダッラーゴがキュレートしたもので、来場者は無料で靴磨きを体験していました。

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この秋冬の、最新のトレンドを紹介するファッションショーは毎日開催。80以上のファッションとフットウエアのブランドを身に着けたモデルが、ランウェイを歩きました。そのほか、スペシャリストによるセミナーやプレゼンテーションもあり、新しい素材や消費者行動についてのセミナーなどが行われました。

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キッズエリアでは、植物や野菜で作品を作るパリのアーティスト、“ムッシュプラント”ことクリストフ・グィネさんが、花や樹皮、苔、草を使って子ども靴を装飾したアート作品を制作。また、ミラノにある日本食レストランで寿司職人として働きながら、靴の形をした寿司(シューシ/Shoe+寿司)を作る、中国人スシアーティストのYujia Huさんによるデモンストレーションでは、酢飯や海苔、刺身を使った靴寿司も注目を集めました。

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フードブースも充実し、幅広い国籍、年代の来場者(約6割が海外から)が楽しめるように配慮。今回は旧正月の時期だったため、中国や香港からの来場者は減少しましたが、半面ロシアからのバイヤーは特に大きく増加したのだとか。次回は、出展していたブランドについて紹介します。

>>そのほかの会場風景はこちら

Photograph & Text:Mayumi Akagi

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