紳士の雑学

覚えておくべき生地ブランド

2018.04.18

スーツを仕立てるときの生地選び。イギリスやイタリアをはじめ多くの生地ブランドがあるが、それらは2種類に分けることができる。ミル(織物工場)とマーチャント(商社)だ。それぞれのブランドの違いと特徴を知って男のエレガントを追求したい。

Mill ミル

  • howto01
    ロロ・ピアーナ(イタリア)
    最上級のメリノウールを多用し常に最高を求める姿勢を示す。軽さ、柔軟さ、気品ある光沢を生地に望むならはずせない。
  • howto02
    フォックス・ブラザーズ(イギリス)
    産業界の栄誉賞(英国女王賞)を3回も受賞する老舗ミル。100年来、まったく工程を変えないフランネルは同社の代名詞。
  • howto03
    テイラー&ロッヂ(イギリス)
    品質維持を信念とする名門。効率を犠牲に自動織機の速度を下げ品柄を守る。伝承された技術が生む製品の希少性は非常に高い。
  • howto04
    カノニコ(イタリア)
    多くのメーカーが集うビエラ地方でも抜きん出た規模の大型ミル。最新鋭機械と原料管理で高品質製品を手ごろな価格で供給。
  • howto05
    ウィリアム ハルステッド(イギリス)
    英国の老舗ながら新技術に精通するミル。特に高混率のキッドモヘアとウーステッドの夏用混紡生地は別格に扱われる。
  • howto06
    葛利毛織工業(日本)
    毛織物の地、尾州を代表するミル。80年余、手織りの感覚に近い低速ションヘル織機での生産を続け、内外からの信頼を得ている。
  • howto07
    マーティンソン(イギリス)
    英国を代表する名門のひとつ。なんといっても100年以上も生産を続けている、シャリ感が素晴らしい夏素材、フレスコは高名。
  • howto08
    ハリスツイード(スコットランド)
    ハリスツイード協会の厳格な管理下で伝統的製法の紡毛織物を生産する専売型ミル。経年変化で体になじみ愛着を呼ぶ逸品を生む。
  • howto09
    チェルッティ1881(イタリア)
    スーパー級原毛から細い糸を引く技術は他の追随を許さない。これを活用したやわらかな光沢の滑らかな生地に定評がある。

Marchantマーチャント

  • howto21
    ドラッパーズ(イタリア)
    優良ミルと長年取引を重ね伝統的製法が生む服地を熟知。さらに現代的な優雅さを加味して洗練のコレクションを展開する名門。
  • howto22
    スキャバル(ベルギー)
    ブリュッセルに本拠を置く世界最大の織物商社。バンチを使う流通体系を考案。スーパー100's開発への尽力でも称賛を集める。
  • howto23
    ドーメル(フランス)
    ドレープが引き立つ英国伝統のしっかりとした生地から、先進技術を駆使した軽やかな生地まで扱う、世界に名を成す織物商社。
  • howto24
    ユーロテックス(イタリア)
    ローマの生地商でありながら在庫の85%以上は、しっかりとした目付けの英国服地。華やかな風情には独特の持ち味がある。
  • howto25
    イネスチェンバース(スコットランド)
    名門織物商社ホーランド&シェリー傘下の卸商。多様な混紡素材に注力し英国製ながら軽くやわらかな生地の供給を得意とする。
  • howto26
    H.レッサー&サンズ(イギリス)
    ゴールデンベールといった貴重な糸の扱いを許された数少ない生地商のひとつ。ステータスの高さは多くのテーラーが認める。
  • howto27
    フラテッリ・カチョッポリ(イタリア)
    ナポリを本拠とする織物商社。お得意は南イタリアならではの明るい色柄の春夏素材。特有の個性がしゃれ者の注目を集める。
  • howto28
    ハリソンズ オブ エジンバラ(スコットランド)
    欧州の王侯貴族からの信頼も厚い名門。プロが絶賛する仕立て映えのする生地は徹底した原毛へのこだわりから生まれる。
  • howto29
    フィンテックス(イギリス)
    生地の織り耳にブランド名を入れ込む意匠の考案で知られる。流行に左右されない英国気質に満ちた高級生地を取りそろえる。

出典:永久保存版「スーツ」着こなし事典(朝日新聞出版)

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