旅と暮らし
手仕事の美。インドの綿布「Khadi(カディ)」とその思想を知る
2018.04.26
イッセイ ミヤケが1980年代からクリエーションに採り入れつづけている、インドの綿布「カディ」をご存じだろうか。カディは、インド・テキスタイルを世界に広めたマルタン・シンが「自由の布」とも呼ぶ、素朴で美しい綿布のこと。そのカディの展覧会「Khadi インドの明日をつむぐ - Homage to Martand Singh -」が21_21 DESIGN SIGHTで2018年5月13日(日)まで開催している。
カディはチャルカという糸車を使い、一本一本手で紡ぎ出した綿の糸を丁寧に手織りしてつくられる。機械生産では出すことのできない生地の風合いは、一貫した手仕事があってこそ。インドの独立運動の際、マハトマ・ガンジーが自らカディをつくり着用することで輸入品に抵抗したという、歴史と思想が色濃く反映されている布でもある。
会場にはさまざまな厚みのガディをはじめ、昨年他界したマルタン・シンの貴重なインタビュー映像や、ガディの制作過程を追った映像も見ることができる。ガディを使って仕立てられた美しい衣服も必見。希少で価値の高いガディの表情からは、我々日本人にとって新鮮なインドの一面を読み取ることができる。
「Khadi インドの明日をつむぐ - Homage to Martand Singh -」展
会場/21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
住所/東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン内
会期/2018年5月13日(日)まで
開館時間/10:00 ~ 19:00
休館日/火曜日(5月1日は開館)
入館料/無料
問い合わせ/03-3475-2121
展覧会詳細はこちら
http://www.2121designsight.jp/gallery3/khadi/
Text:Eri Ujita