旅と暮らし

東京の真ん中、上野の森。近代建築を巡る大人散歩
番外編 喫茶店「ギャラン」

2018.04.26

東京の真ん中、上野の森。近代建築を巡る大人散歩<br>番外編 喫茶店「ギャラン」

1977年(昭和52年)の7月、人気絶頂のキャンディーズが日比谷野外音楽堂のステージ上で突然、「普通の女の子に戻りたい」と解散宣言。当時非常に衝撃的なニュースとなった。

しかも、この年は、ピンク・レディーが「渚のシンドバッド」「ウォンテッド」「UFO」とヒットを連発。山口百恵が歌った「イミテイション・ゴールド」や「秋桜」、石川さゆりの「津軽海峡・冬景色」、狩人「あずさ2号」、高田みづえ「硝子坂」も同年のヒット曲だ。

日本の歌謡界が非常に輝いていたこの年にオープンした、喫茶店「ギャラン」が、今回の主役だ。

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上野駅の中央口からほど近い場所に位置する「ギャラン」。入り口の階段に施されたギラギラとしたネオンが、なんともレトロだ。建物に掲げられたCOFFEEの看板も、昭和を思わせるノスタルジックなデザイン。

フルーツパフェに、クリームソーダ、ナポリタン、ミートソースと、メニューの食品サンプルが所狭しと並ぶショーケースも目を引く。店内もまたギラギラとした照明がそこかしこで光を放ち、シャンデリアも存在感満点。さながら昭和ディスコのイメージも漂う。

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革張りのソファに腰かけて、人気のクリームソーダとナポリタンをオーダー。王道を貫く懐かしい味わいがうれしい。

ギャランの店内に流れるBGMは、昭和歌謡。時代を超えて愛される名曲が次々と流れ、つい口ずさんでしまう。思わず、懐かしさに当時の自分が頭のなかでプレイバック。

ウエイトレスさんや、ウエイターさんが着用するのは、赤が基調のタータンチェックの制服。女性は黄色のシャツを合わせ、男性は黒のシャツを組み合わせる。これらによって織り成される店内の雰囲気は、まさに昭和そのもの。

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今回、国立科学博物館、東京国立博物館、そして国際子ども図書館と、上野公園エリアの近代建築を巡った。優れた近代建築を目にしたのち、昭和ムード漂う喫茶店に立ち寄れば、さらに充実した散歩となる。上野界隈には、レトロな雰囲気に満ちた純喫茶が非常に多く、ギャランはその人気店のひとつだ。

列島改造ブームからバブル景気にかけて、高度な経済成長が続いたエネルギッシュな時代。そんな時代にオープンしたこのコーヒーショップには、昭和世代にとって、懐かしく振り返りたい時間が流れていた。

<訪れた場所>
COFFEE SHOP ギャラン
スポーツ界では王貞治が756号の本塁打世界新記録を樹立した1977年にオープンした純喫茶。創業から40年以上が経過する人気店だ。上野駅より徒歩2分、レンガ造りのビルの2階にある。食品サンプルが並ぶショーケースを目印に階段を上がれば、ノスタルジーな雰囲気たっぷりの空間が広がる。長年通いつづけている常連客も多い。花見の季節などは、入店待ちで階段付近に並ぶことも。行列を覚悟しても訪れたい店だ。全席、喫煙可。車好きのマスターが三菱自動車の乗用車「ギャラン」の名にちなんで命名した。

営業時間:8:00〜23:00
定休日:無休
住所:東京都台東区上野6-14-4
03-3836-2756

ジャケット¥64,000、パンツ¥33,000、ニット¥25,000/すべてチルコロ 1901(トヨダトレーディング プレスルーム 03-5350-5567)、スカーフ¥14,000/キャバン トゥモローランド(キャバン トゥモローランド丸の内店 03-3286-5105)、スニーカー¥120,000/サントーニ(リエート 03-5413-5333)、バッグ¥92,000/ダニエル&ボブ(八木通商 03-6809-2183)、カメラ本体¥340,000、レンズ¥145,000/ともにライカ(ライカサポートセンター 0120-03-5508

掲載した商品はすべて税抜き価格です。

<<近代建築を巡る大人散歩 その①はこちら

Photograph:Hiroyuki Matsuzaki (INTO THE LIGHT)
Styling:Tomohiro Saitoh (GLOVE)
Hair & Make-up:Ryo (COME HAIR)
Edit & Text:Haruhiko Ito (office cars)

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