腕時計
バーゼルワールド2018 レポート
シチズン
2018.04.27
年明け1月のSIHH(ジュネーブサロン)に続いて、バーゼルワールドがスイスで3月22日〜27日に開催された。1917年から始まった商品見本市をルーツとして、昨年に100周年を迎えた国際的な時計と宝飾の展示会。多彩な新作が数多く披露された。今年のトレンドは最後にまとめるとして、日本でも人気の高い有力ブランドから注目のモデルをピックアップしていく。
創業100周年を記念した「世界初」と特別限定コレクション
世界最薄の光発電時計「エコ・ドライブ ワン」を開発するなど、高度な技術力で知られるシチズンは今年で創業100周年。これを記念して、現時点では究極の超高精度「年差±1.0秒」を誇る光発電ムーブメント「Cal.0100」を発表。再び世界を驚嘆させた。
標準時刻電波やGPS衛星からの電波を受けて時刻を修正するのでなく、光さえあれば動きつづける単独の「完全自律型」。このタイプで「年差クオーツ」と呼ばれる高精度モデルでも誤差±5秒が一般的なので、それをはるかに上回る世界初の快挙だ。温度や重力の変化に強い特殊な水晶振動子を独自開発することで実現したという。
この「Cal.0100」は、初めてシチズンの名称を冠した懐中時計(1924年発売)にオマージュを捧げるコンセプトモデルとしてポケットウオッチに搭載。このムーブメントを搭載した腕時計が来年から発売される予定だ。
100周年記念の一般市販モデルとしては、光発電エコ・ドライブを搭載した各コレクションからブラックとゴールドのカラーリングを施した9モデルが登場。これは「光が時に変わる瞬間」をイメージしたという。「SATELLITE WAVE GPS F990」ではケースとダイヤルをブラックにして、時分針などにゴールドをアレンジしている。
世界最薄の光発電ムーブメントを搭載した「エコ・ドライブ ワン」では、これまでのサーメット(セラミックとメタルの融合素材)製ケースに、新しい硬質素材「アルティック」製ベゼルを組み合わせた世界限定1000本の新作を追加。スーパーチタニウム™をケースとブレスレットに採用した3モデルと合わせて、耐アレルギーで肌に優しく、傷に強い軽量モデルのラインナップがさらに充実した。限定モデルのケース径は37㎜、スーパーチタニウム™のモデルも36.5㎜(設計値)なので、女性でも愛用できる。
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
問/シチズンお客様時計相談室 0120-78-4807
プロフィル
笠木恵司(かさき けいじ)
時計ジャーナリスト。1990年代半ばからスイスのジュネーブ、バーゼルで開催される国際時計展示会を取材してきた。時計工房や職人、ブランドCEOなどのインタビュー経験も豊富。共著として『腕時計雑学ノート』(ダイヤモンド社)。