腕時計
バーゼルワールド2018 レポート
ロレックス
2018.04.26

年明け1月のSIHH(ジュネーブサロン)に続いて、バーゼルワールドがスイスで3月22日〜27日に開催された。1917年から始まった商品見本市をルーツとして、昨年に100周年を迎えた国際的な時計と宝飾の展示会。多彩な新作が数多く披露された。今年のトレンドは最後にまとめるとして、日本でも人気の高い有力ブランドから注目のモデルをピックアップしていく。
新型ムーブメントを「GMTマスターⅡ」などに搭載
ロレックスは2015年に新型ムーブメント「キャリバー3235」を発表。精度、信頼性、耐衝撃性、耐磁性に優れているだけでなく、エネルギー伝達効率の向上などによってパワーリザーブも約3日間に延長した。
この革新的なムーブメントを各コレクションに順次搭載してきたが、今年のバーゼルワールドでも「GMTマスターⅡ」、「デイトジャスト 36」、そしてダイバーズモデルの「ロレックス ディープシー」の新作が」登場した。
このうち「GMTマスターⅡ」は2つの時間帯を同時に表示するプチコンプリケーションであるため、「キャリバー3235」をアレンジした「キャリバー3285」を採用。それだけでなく、オイスターケースのラグとケースサイドのデザインがリニューアルされたほか、レッド/ブルーのセラミック製ベゼルでは初となるオイスタースチール(904L ステンレススチール)製モデルを追加。やはり初の5連リンクのジュビリーブレスレットを組み合わせている。

ケースとブレスレット素材は、オイスタースチールに加えて、このコレクションでは初めて18Kエバーローズゴールドを採用。オイスタースチールとエバーローズゴールドのコンビネーション「ロレゾール」と合わせて3種類が新作として発表された。ベゼルの枠内にセラミックをインサートした24時間計のカラーリングがケース素材によって異なり、オイスタースチールではレッド(昼)とブルー(夜)、エバーローズゴールドではブラウン(昼)とブラック(夜)となっている。

「デイトジャスト 36」は「キャリバー3235」へのアップデートだが、ダイヤルバリエーションが増加したほか、ケース&ブレスレットも18Kイエローゴールドまたはエバーローズゴールドとオイスタースチールとのコンビモデルを発表 (写真2)。ブレスレットも3連リンクのオイスターと5連のジュビリーから選べる。男女を問わないサイズであるため、様々な組み合わせが展開されているようだ。

2008年に誕生した3900mまでの防水性能を誇る驚異的なダイバーズモデル「ロレックス ディープシー」にも、「キャリバー3235」が搭載された。直径44㎜のケースに接続するブレスレットの幅が広がり、安定感と堅牢性を高めている。ブラックのダイビングスケールに、グラデーションのブルーダイヤルが美しい。
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
問/日本ロレックス 03-3216-5671
プロフィル
笠木恵司(かさき けいじ)
時計ジャーナリスト。1990年代半ばからスイスのジュネーブ、バーゼルで開催される国際時計展示会を取材してきた。時計工房や職人、ブランドCEOなどのインタビュー経験も豊富。共著として『腕時計雑学ノート』(ダイヤモンド社)。