腕時計
バーゼルワールド2018 レポート
ロンジン
2018.05.07
年明け1月のSIHH(ジュネーブサロン)に続いて、バーゼルワールドがスイスで3月22日〜27日に開催された。1917年から始まった商品見本市をルーツとして、昨年に100周年を迎えた国際的な時計と宝飾の展示会。多彩な新作が数多く披露された。今年のトレンドは最後にまとめるとして、日本でも人気の高い有力ブランドから注目のモデルをピックアップしていく。
コスパ抜群のアニュアルカレンダー
ロンジンは1832年創業の老舗名門ブランドであり、さまざまな分野で先駆的な傑作を開発。その歴史的遺産や蓄積された技術をフルに活用することで、コストパフォーマンスに優れた時計づくりを推進してきた。
今年の大きな話題は、2005年に誕生した「ロンジン マスターコレクション」から登場した、ブランド初となるアニュアルカレンダーだ。3時位置の小窓で月と日付が表示されるが、年に1回(3月1日)のみ調整すれば、ほかの月末はすべて自動で送ってくれる複雑機構であり、ダイヤルカラーはブラック、ブルー、それにホワイトの3種類。いずれもクラシカルで洗練された雰囲気が漂う上品なデザインに仕上がっている。それでいて税抜き予価が26万7000円だから、コスパは抜群といっていいだろう。
昨年は新しいコレクション「レコード(RECORD)」がデビューしたが、耐磁性などに優れた新開発のムーブメントを搭載するだけでなく、COSC(スイス公式クロノメーター検定協会)認定のクロノメーターでありながら、価格は20万円台に抑えられていた。このコレクションに今年はラグジュアリー感の高い18Kローズゴールド(プレート)を採用した新作が追加された。
高精度なクオーツモデル「コンクエストV.H.P.」はダイヤルのバリエーションを拡大。クロノグラフも新しく登場したが、ここでは300m防水の「ロンジン レジェンドダイバー」を紹介しておきたい。1960年代の伝説的なダイバーズウオッチからインスピレーションを得て開発されたモデルであり、潜水時間(分)などを計測する逆回転防止機構付きベゼルをダイヤル内に搭載。ブラックPVDでコーティングされたシャープでモダンなフェイスが精悍(せいかん)な知性を感じさせる。ミラネーゼモチーフのラバーベルトも個性的。スーツ姿にも違和感なくフィットするダイバーズだ。ケース径36㎜のレディスモデルも追加される予定という。
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
問/ロンジン 03-6254-7351
プロフィル
笠木恵司(かさき けいじ)
時計ジャーナリスト。1990年代半ばからスイスのジュネーブ、バーゼルで開催される国際時計展示会を取材してきた。時計工房や職人、ブランドCEOなどのインタビュー経験も豊富。共著として『腕時計雑学ノート』(ダイヤモンド社)。