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バーゼルワールド2018 レポート
セイコー

2018.05.09

バーゼルワールド2018 レポート<br>セイコー

年明け1月のSIHH(ジュネーブサロン)に続いて、バーゼルワールドがスイスで3月22日〜27日に開催された。1917年から始まった商品見本市をルーツとして、昨年に100周年を迎えた国際的な時計と宝飾の展示会。多彩な新作が数多く披露された。今年のトレンドは最後にまとめるとして、日本でも人気の高い有力ブランドから注目のモデルをピックアップしていく。

国産ダイバーズウオッチの系譜に連なる新たな6モデル

セイコーは1965年に国産初のダイバーズウオッチを開発して以来、独自のテクノロジーを搭載した画期的なモデルを相次いで発表してきた。68年に毎秒10振動のハイビート機械式300m防水モデル、78年には世界初のクオーツ式600m飽和潜水モデル(深海潜水時に侵入するヘリウム混合ガスにも対応)。この2つのエポックメーキングなダイバーズウオッチを現代の技術と素材を導入し、進化した6モデルが登場した。

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セイコー プロスペックス マリーンマスター プロフェッショナル「1968メカニカルダイバーズ 復刻デザイン SBEX007」。オリジナルは空気潜水用だったが飽和潜水用にスペックアップ。ただし、飽和潜水ダイバーズでは常識的なヘリウムエスケープバルブがない。独自開発のワンピース構造ケースとL字型ガラスパッキンを採用してヘリウムガスの侵入を遮断している。自動巻き(キャリバー8L55)、パワーリザーブ約55時間、ケースはステンレススチール、直径44.8㎜、厚さ15.7㎜、300m防水、世界限定1500本/¥550,000(税抜き予価)、6月9日発売予定。

68年のハイビート機械式をベースとした新作は、オリジナルのデザインに忠実な「復刻デザイン」と、コンテンポラリーにアレンジした「現代デザイン」の2タイプ。オリジナルは世界初の裏ぶたのないワンピース構造になっており、誕生50周年を記念した限定モデルの「復刻デザイン」でもこれを再現。

当時は空気潜水用だったが、ヘリウムガスの侵入を遮断する独自開発のL字型ガラスパッキンを採用して飽和潜水仕様にスペックアップしている。安定した精度を誇る毎秒10振動のダイバーズモデル専用ムーブメントを搭載。ケースの外観は現代の研磨技術によって、機能美と堅牢性を感じさせるシャープなフォルムに仕上げられている。

レギュラーとなる「現代デザイン」は、スリムなベゼルやモダンな矢印型の大型時針を備えた200m空気潜水用防水モデル。毎秒6振動の機械式ムーブメントを搭載しており、ベゼルがブラックとブルーの2タイプ。ダイビングだけでなく、ビジネスなどの普段使いにも違和感がないスマートな薄型デザインが魅力。

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セイコー プロスペックス マリーンマスター プロフェッショナル「1968 メカニカルダイバーズ 50周年記念限定モデル ディープフォレスト SBDX021」。ダイヤルとベゼルのグリーンが特徴。自動巻き(キャリバー8L35)、パワーリザーブ約50時間、ケースはステンレススチール。直径44.3㎜、厚さ15.4㎜、300m防水/\320,000(税抜き予価)、7月7日発売予定。

前述した「復刻デザイン」と併せて、ハイビート機械式ダイバーズ誕生50周年を記念する特別限定モデルとして、「ディープフォレスト」も発表された。ダイヤルとベゼルの深いグリーンが際立った特徴。世界自然遺産にも登録され、国内屈指のダイビングスポットでも知られる屋久島の豊かな森をイメージしたという。

そのほか、クオーツダイバーズでも78年のオリジナルに忠実に再現した「復刻デザイン」と、誕生40周年を記念した特別限定モデル「ヴァイオレットオーシャン」の2モデルをラインナップ。いずれも現代の技術と素材を使用してハイレベルにリファインされている。

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「セイコー プレザージュ 七宝限定モデル SARW039」。エナメルを研磨して、つやを加えた濃紺のダイヤルが特徴。自動巻き(キャリバー6R27)、パワーリザーブ約45時間、ケースはステンレススチール、直径40.6㎜、厚さ14.1㎜、10気圧防水(日常生活用強化防水)/¥170,000(税抜き予価)、9月8日発売予定。

日本の美意識を体現するコレクション「セイコー プレザージュ」では、七宝ダイヤルを採用した世界限定の新作が追加された。ガラス質の釉薬を塗布、焼成を複数回繰り返した後に、独自の研磨加工を施しつやと輝きを加えている。海を思わせる透明感の高い濃紺色が美しい。

掲載した商品はすべて税抜き価格です。

問/セイコーウオッチ お客様相談室 0120-061-012

プロフィル
笠木恵司(かさき けいじ)
時計ジャーナリスト。1990年代半ばからスイスのジュネーブ、バーゼルで開催される国際時計展示会を取材してきた。時計工房や職人、ブランドCEOなどのインタビュー経験も豊富。共著として『腕時計雑学ノート』(ダイヤモンド社)。

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