旅と暮らし

上質な時間を独り占め。さぁ週末ひとり旅へ。
その④　隠れ家工房で陶芸体験

2018.05.01

ひとり旅こそ、大人の流儀。気配りさえ不要で、誰かのペースに合わせる必要もない。ゆったりと流れる時間を、思いのままに、独り占めする。

自分のアイデアで自由に旅程をコーディネートできるのが、ひとり旅の魅力。絶好の機会に、興味のあった陶芸を体験するため、「陶びら（とびら）」の門を叩いた。
作品に向き合う時間は、日常にはない心の充実を生み出してくれるはずだ。

ここは、専属の陶芸作家の手ほどきを受けながら、茶碗や皿、花器など、さまざまな器の作成を楽しめる貸切工房だ。静かで落ち着きに満ちた室内。上質な空間で本格的な陶芸に親しめるのが何よりうれしい。

用いる土から選んでいくのがまず興をそそる。信楽の白土、赤土、黒土のほか、半磁器の土、備前土といった素材が用意されるが、土選びはこれまで味わったことのない新鮮な経験だ。釉薬（ゆうやく）も、10種類ほどの中から創作する作品をイメージしながら決めていく。

指先に加える力の加減をはじめ、成形のコツ、ろくろの速度、水の加減など、その都度、的確なアドバイスを受けられるから、安心して作品づくりに励める。作陶方法は電動ろくろと手びねりがあり、90分の時間内であれば複数の作品にトライできる。

また、隣接する「箱根クラフトハウス」は、個室式ではないものの、気軽に楽しめる料金で陶芸を体験できる。電動ろくろ、または手びねりの陶芸のほか、吹きガラスやサンドブラストなどの体験も実施。こちらも丁寧なアドバイスが魅力になっている。

「陶びら」は、箱根強羅公園に位置。この公園は大正3年（1914年）の開園で、日本初のフランス式整型庭園を擁する。四季折々の花が咲きほこり、春の新緑や秋の紅葉とのコラボレーションも見どころだという。

濃厚バニラのソフトクリームが人気のレストランやカフェを設置。いずれも瀟洒な欧風デザインの施設で、和の心で臨む陶芸と、洋風の庭園という対照的な組み合わせも楽しい。

出会ったものを気ままに、スナップ写真に残してのひとり旅。

陶芸と対峙した時間はこれまでにない貴重な体験となった。

使用する土や釉薬には特別な材料が用意され、ワンランク上の「やきもの」を創作できる「陶びら」。心ゆくまで土に向き合い、ふだん味わえないひと時を過ごせる隠れ家工房だ。

＜訪れた場所＞
陶びら
専属の陶芸作家が「特別なものづくり」を提案。作品の見本などを用意しているので、相談しながらイメージを決めていける。体験時間は90分ほどで、案内などを含めると所要時間は120分ほど。衣服に土が飛ばないよう作務衣を着用しての体験となる。当日は成形の工程までとなり、2か月ほどで焼きあがった作品が手元に届く。営業時間9:00〜17:00（体験開始は9：30より、最終受付時間は15：00）。年中無休（悪天候の際は休館の場合あり）。体験料金1名11,000円（税込み）。予約制でWebサイトからの予約も可能だ。

神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300　箱根強羅公園内
0460-83-8187（要予約）
http://www.to-villa.com
http://www.crafthouse.org

サファリシャツ￥48,000／フィナモレ、パンツ￥29,000／ベルウィッチ（ともにアマン 03-6805-0527）、Tシャツ￥12,000／チルコロ1901（ビームスハウス丸の内 03-5220-8686）、バッグ￥458,000／モワナ（モワナメゾン GINZA SIX 03-5537-3600）、メガネ￥35,000、クリップオン￥16,000／ともにネイティブサンズ（ザライト 03-6447-2666）、時計￥730,000／IWC（IWC 0120-05-1868）、インスタントカメラ￥33,500／ライカ（ライカサポートセンター 0120-03-5508）

掲載した商品（陶芸体験料金以外）はすべて税抜き価格です。

＜＜その③はこちらから

その⑤はこちらから＞＞

Photograph : Satoru Tada (Rooster)
Styling : Eiji Ishikawa (TABLE ROCK.STUDIO)
Hair & Make-up : Tomokazu Akutsu
Edit & Text : Haruhiko Ito (office cars)