旅と暮らし
英国製スポーツカー、ジャガーFタイプは、
大人を魅了するか?
2018.05.10
ロイヤルワラントを賜る英国王室御用達の名品。ファッション、小物、食品など、本物を選ぼうとすると、それらをチョイスしてしまうことも多い。それらが有する「伝統」「気品」「品格」は、ビジネスでもブラベートでも、気持ちを高めてくれる。
クルマでも英国ブランドには気品あるモデルが目立つ。ジャガー、ランドローバーは、ロイヤルワラントを賜る英国王室御用達ブランドとして、その品質とデザインを磨いてきた。
しかし、英国車を語るうえで忘れてならないのが、スポーツカーの存在だ。ご存じの諸兄も少なくないだろうが、イギリスはスポーツカー大国である。
ジャガー「Fタイプ」は、2013年のデビュー。オールアルミのボディーによる軽量、高剛性は、スポーツカーとしての本質を具現化している。デザインも美しく、名車「Eタイプ」(1961年デビュー)同様、流麗なラインが魅力だ。
最新の2018年モデル(日本仕様)は28タイプという幅広いバリエーション。3リッターV6や5リッターV8に加えて、新たに2リッター直4モデルが、クーぺ、コンバーチブルのどちらにも登場している。
今回、新登場の2リッター直4モデルであるR-DYNAMICクーペの試乗を行ったのだが、その走りには「スポーツカー」のあるべき姿があった。
搭載する2リッター直列4気筒DOHC16Vターボエンジンは、パワフルだ。パワースペックは最高出力300ps、最大トルク40.8kg-m。アクセルを深く踏めば、ローエンドユニットとなる2リッターとはにわかに信じられないほどのパワーで、優れた加速を見せる。300psのスペックはだてでない。
3リッターV6や5リッターV8なら、さらに動力性能が高まり、トップエンドのSVRモデルは575psを誇っている。
ボディー全幅が1.9mを超えるのに、身のこなしは軽快だ。2リッター直4モデルは2WDのみ。フロントエンジン、リアドライブのFRであり、クーペ、コンバーチブルともに、パッケージングは2シーターである。
何より大人のクルマ選びで忘れてならないのが、デザインだ。Fタイプのフォルムは、ロングノーズ、ショートキャビン。ブリティッシュスポーツカー伝統のプロポーションだ。
スポーツカーにふさわしいコックピットに収まり(実際には余裕あるスペースで)、長いノーズの存在を楽しみながらスポーツカーを駆る。ムードは、トラディショナルかつクラシカル。もちろんメカニズムや技術は先進のものだ。コンバーチブルモデルなら、風を感じて走れる。
着こなすファッションも楽しさとなるスポーツカー。大人のライフスタイルにふさわしい、幸福感に満ちた時間がある。ジャーマンブランドとは趣を異にする、粋なスポーツカーライフとなる。
※走行写真のモデルは、実際の日本導入モデルと一部の仕様が異なります。
日本仕様は全車、右ハンドル。写真はオプション装着車。
※価格はすべて消費税込みのものです。
<データ>
車名:ジャガーFタイプR-DYNAMICクーペ
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4480×1925×1315mm
ホイールベース:2620mm
駆動方式:FR
エンジン:2リッター直列4気筒DOHC16Vターボ
トランスミッション:8速AT
エンジン最高出力:300ps(221kW)/5500rpm
エンジン最大トルク:40.8kg-m(400N-m)/2000rpm
タイヤ:前245/45ZR18、後275/40ZR18
車両本体価格(税込):¥8,610,000
Text:Haruhiko Ito(office cars)