紳士の雑学

食事と合わせてクラフトビールを楽しむには
クラフトビールの楽しみ方 第5回

2018.05.15

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これまでの4回の解説で、クラフトビールの味や香りの幅がとても広いことがおわかりいただけただろう。それぞれのタイプの個性を生かして料理と合わせるにはどのようにしたらいいのか。大手メーカーのピルスナーは、味わいよりものど越しの良さや爽快感が魅力。しかし、個性豊かなクラフトビールはそれではもったいない。最終回となる5回目は、藤原ヒロユキさんにペアリングの法則性を聞いた。

3つの原則

「料理や食材とビールの組み合わせには、基本3つの原則があると思っています。まずそのひとつが、生まれ故郷を合わせるということ。ドイツのビールにドイツのソーセージといった具合。次に色を合わせるということ。茶色いビールには茶色の食べ物が合うという法則。そして最後に味の相関関係を知ること。味の相性には似た味同士を合わせる方法──甘×甘 酸×酸 苦×苦――と、相反する味を合わせる──甘×酸 甘×苦――という2通りがあり、その観点で相性を考えるという方法です。このいずれかの考え方で、ビールと料理の相性を考えると間違いがありません。というのも、ビールは甘、酸、苦の3つの味の強弱の幅がとても大きく、すべてのお酒のなかで味わいの幅が最も広く、料理との合わせ方も無限大だからです」と、まずは、その考え方を説明してくれた。

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同じ故郷で生まれたビールと料理を合わせる

ドイツ発祥のジャーマン・ピルスナーであれば、ドイツ系のソーセージやザワークラウト、あるいはアイスバインといったドイツ料理との相性がいいのは言わずもがな。写真のジャーマンポテトと富士桜高原のピルスナー、この組み合わせは説明するまでもないだろう。また、もう1点は、ベルギーのみで造られている自然発酵のランビックとパテ・ド・カンパーニュの組み合わせ(1枚目の写真)。ベルギーもフランス系の料理が主であるから、こうしたシャルキュトリーとの組み合わせはごく自然である。イギリスのペールエールなら、その重厚な味わいが、揚げ物の中でもどっしりとした味のフィッシュ&チップスとよく合う。アメリカ産のIPAのキリッとした苦みでハンバーガーを頬張れば、文句なくおいしいといった具合だ。

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ビールと料理や食材の色を合わせるとは?

「ビールの色は麦芽をどれくらい焙煎されているかで決まるので、色が濃いものほど、香ばしさや苦みが強いと言えます。ここでは真っ黒なスタウトにローストしたアーモンド入りのチョコレートを合わせました。ビールにチョコ?といぶしがっている人に食べさせると、こんなに合うのかって、必ず驚きますよ」と藤原さんは言う。確かにカカオのローストと、焙煎された麦芽の香ばしさが抜群に合う。色が濃いダブルボックは、肉の煮込みやドミグラスソースのかかった料理など、濃厚な味わいをしっかりと受け止めてくれる。また、ピルスナーやホワイトエールのような淡色のビールには、焦げ感のない塩味の料理や、マヨネーズ、フレンチドレッシングに合う。

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味の相関関係から見るマリアージュ

一般に味の相性には2通りの考え方があると言われる。甘×甘、酸×酸、苦×苦といった同じ系列の味を合わせる、これもひとつである。が、反対の甘×苦、つまりケーキを食べたあとにコーヒーを飲むのがこれにあたるわけだが、この両方の合わせ方があるという考え方だ。
「似た味わいとして、ピクルスと大山Gビールのヴァイツェンを合わせました。ヴァイツェンは甘みも酸味もあるフルーティーな仕上がり。ピクルスの中の酸とヴァイツェンの酸が手をつないだよい例です。逆にランビックにパテ・ド・カンパーニュを合わせましたが、これは味の面からも理にかなっています。つまり、ランビックの強い酸味が肉の強い脂を切ってくれるわけです。同様に、ペールエールのような苦みも肉の脂をすっきりと切ってくれます。この苦みを持っているということが、ビールの大きな強みなんです。なにしろ、お酒のなかでも苦みがあるのはビールだけ。ワインにはタンニンという渋みはありますが、渋みは刺激であって味覚ではありません。このビールの苦みがペアリングの幅を広げてくれるのです」とビールの魅力を力説してくれた。

こうして5回にわたる、藤原ヒロユキさんのクラフトビール講座を読むことで、従来の、“のど越しを楽しむビール”から、“味わいを楽しむビール”へと、大きく意識が変わったのではないだろうか。今年の夏はいろいろな楽しみ方に挑戦してみたい。

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1200種のビールがそろう「びあマ」

今回のクラフトビールと料理をすべて楽しむことができる店、それが「びあマ」だ。北千住にあるそこは、1200種以上の各国のクラフトビールを取り揃える酒屋。しかも購入したビールはすべて抜栓料¥100で飲める。ビールに特化した“角打ち”というわけだ。なんとも楽しい。ビールに合うつまみも紹介したもののほかにも常時、数種提供している。スタッフのビールに関する知識も半端なく、膨大なストックの中から好みのビールをぴたりと探し出してくれるのだから嬉しい。スタンディングで、楽しそうに飲んで盛り上がっているお客さんを見ると、さあ飲むぞと、いやがうえにもテンションが上がる。また、4月19日に2号店となる神田店もオープンした。ビール好きならぜひ、訪れてほしい。

びあマ
東京都足立区千住2-62 西岡ビル
03-3882-2508
月曜~水曜・金曜・土曜 14:00~24:00 日曜 14:00~24:00
定休日/木曜

<<クラフトビールの楽しみ方 第4回

Photograph : Makiko Doi
Text : Hiroko Komatsu

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