旅と暮らし

次元の違う美味の扉を開く「ル・ショコラ・アラン・デュカス 東京工房」

2018.05.22

次元の違う美味の扉を開く「ル・ショコラ・アラン・デュカス 東京工房」

日々進化を続けるショコラの世界とはいえ、これだけクオリティーの高い商品やブランドが出そろったいま、驚くようなおいしさにそうそう出合えるとは思えない。ところが、ル・ショコラ・アラン・デュカスのショコラ工房で作られたそれは、明らかに、これまでのショコラの概念を打ち破る美味の頂を教えてくれた。

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帝王デュカスがショコラ工房を作ったわけ

アラン・デュカスといえば、フランス料理界の帝王として君臨し、フランス本国はもとより、各国に星付きの最高級レストランを展開しているのはよく知られるところだ。その彼が、実は若き修業時代からショコラに恋焦がれ、いつかショコラの店を持ちたいという夢を抱きつづけてきたことはあまり知られていない。その30年間封印してきた夢を2013年、パリで実現したのだ。

昇り詰めてからの挑戦、それは唯一無二の最高級のショコラを作るということ。そのために、カカオ豆の買い付けから焙煎に始まり、ボンボン・ショコラ一粒一粒までを作る工房をパリに立ち上げたのだ。デュカス氏自らが厳選したカカオだけを使用し、現在ではすでに使われていない古い機械によって焙煎、攪拌(かくはん)などを行うことで、良質な手仕事への愛着を表現すると同時に、カカオの研ぎ澄まされた風味を引き出すことに成功した。

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フランス国外初のル・ショコラ・アラン・デュカス 東京工房

今年3月、東京に造られた工房は、クーベルチュールを作る過程こそパリの本店に委ねられているものの、パリ店から直送されたクーベルチュールを使用し、それ以降のテンパリング(調温)や成型の工程などは、はすべてパリとまったく同じ要領で進む。タブレット、ボンボン・ショコラ、ロック、ショコラ・スプレッドなどが作られる。

加えて、東京店では中2階にあるル・サロンで、工房の様子を垣間見ながらデセールが味わえる。実はル・サロンのメニューはすべて東京オリジナル。パリでも食べられない貴重な品なのである。

魅惑的な香り、キレのよいシャープな甘み、すがすがしい余韻……、スイーツという概念を超えた、大人の嗜好品としてのショコラデセール。ショコラ好きはもとより、甘いものが苦手というメンズにこそ、別次元の美味を体感してもらいたい。

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    タブレット (c)Pierre Monetta
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    タブレット マンディアン (c)Pierre Monetta
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    ロック (c)Pierre Monetta
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    ショコラ・スプレッド (c)Pierre Monetta
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デュカス氏のショコラへかける思い

開店を機に来日したデュカス氏と、日本店を統括するエグゼクティブ シェフ・ショコラティエ、ジュリアン・キンツラー氏に日本店に懸ける意気込みを聞いた。デュカス氏は、パリに1店舗目を出したときから、フランス国外に出店するなら東京と決めていたそうだ。その理由を問うと「ベージュ アラン・デュカス東京において、開店以来、デセールがいかに高いレベルで供されつづけてきたかを考えれば、東京はすでに、私のショコラを受け入れる準備ができていると考えるのは自然なこと。そして、だからこそ、ベージュ アラン・デュカス東京のデセールをすべて担当してきたパティシエのジュリアン・キンツラー氏にバトンを託したのです。私は何ひとつ心配していません。高度な味覚を備えた日本の皆さんに、私のショコラが届けられることを心からうれしく思っています」と語り、自信のほどがうかがえる。

そして、ジュリアン・キンツラー氏は、「ショコラは僕自身もとても好きなアイテム。このオファーをうれしく感じましたが、パリ店のあれだけ繊細なショコラを表現できるのか、自信はなかった。とても悩みました。けれど、デュカス氏がパリで修業をするようにと言ってくれたので、パリで2年間みっちりと本店のシェフ・パティシエの指導を受けました」と、これまた意気込みを見せてくれた。

日本橋の工房に続き、4月には六本木ヒルズにもショップとサロンをオープン。「ル・ショコラ・アラン・デュカス」が日本のショコラ地図を塗り替えていくに違いない。

Text : Hiroko Komatsu
Photograph : Makiko Doi

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