腕時計

バーゼルワールド2018レポート
ラドー

2018.05.24

バーゼルワールド2018レポート<br>ラドー

年明け1月のSIHH(ジュネーブサロン)に続いて、バーゼルワールドがスイスで3月22日〜27日に開催された。1917年から始まった商品見本市をルーツとして、昨年に100周年を迎えた国際的な時計と宝飾の展示会。多彩な新作が数多く披露された。今年のトレンドは最後にまとめるとして、日本でも人気の高い有力ブランドから注目のモデルをピックアップしていく。

「ダイヤマスター」がユニークなスタイルで新登場!

ラドーは1980年代に世界で初めてハイテクセラミックスを時計に導入。素材だけでなく、あり得ないとされていたメタリックな輝きを実現したプラズマ加工など、その処理や焼結技法などでも革新的なテクノロジーを開発してきた。

今年の新作は「エレメント・オブ・タイム(時の要素)」を基本テーマとして、「オーガニック・タイム(自然)」「クッキングタイム(調理=融合)」「リフレクション・オブ・タイム(昔を現代に反映)」という3つの柱を設定。これをデザインコンセプトとするモデルが各コレクションから登場した。

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「トゥルー シンライン ネイチャー」。スタイリッシュな極薄モデルのケースとブレスレットをブラウンのハイテクセラミックスで統一。クオーツ、直径39.0㎜、厚さ5.0㎜、3気圧防水/¥216,000(税抜き)

「オーガニックタイム」では、自然界を象徴するグリーン、ブルー、ブラウンの3色のカラーセラミックスをケース厚5㎜のスタイリッシュな「シンライン」に採用。ケース、ブレスレットともに同色で統一されている。ムラのない均質な色相を実現したカラーセラミックスは、昨年にラドーが独自で完成した技術。それぞれのカラーに合わせて、ダイヤルもユニークな処理が施されている。森林を思わせるグリーンでは、マザー・オブ・パール(真珠母貝)のダイヤル底面に葉脈の模様がゆらめく。ブルーは、やはりマザー・オブ・パールの背面に海の潮の満ち引きをイメージさせるペイント。ブラウンは、光を微細に反射・屈折するダイヤモンドパウダーを模したダイヤルが豊穣な大地の輝きを感じさせる。

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「ダイヤマスター」。7時位置にスモールセコンド、その真反対のオフセンターに時分計を配置したアシンメトリーなデザインが個性的。自動巻き、パワーリザーブ約42時間、ケースはハイテクセラミックス、直径43.0㎜、厚さ11.8㎜、5気圧防水/¥285,000(税抜き予価)、11月発売予定。

「クッキングタイム」は、時計を構成する要素を料理の素材として、新たな発想で調理(再構成・融合)を行っている。ラドーを代表するコレクション「ダイヤマスター」の新作では、スモールセコンドを7時位置の変則に配置。時分計をこれとは真反対のオフセンター(通常の時計の1時位置)にするだけでなく、地平線をイメージした長いブリッジがアクセントになっている。ダイヤル中央にセットされたブラックスモークのサファイアクリスタル越しに、スイスの伝統的なストライプ装飾、コート・ド・ジュネーブが施されたムーブメントが透けて見える。モダンなデザインセンスで、スイスのクラシックと機械式のメカを融合したユニークな新作だ。

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「トラディション 1965 M オート」。1965年に製作されたレクンタギュラーモデル(長方形)を、現代の素材によってアップデート。自動巻き、パワーリザーブ約38時間、ケースはステンレススチール、サイズ35.0×35.0㎜(ラグまで含む)、厚さ10.6㎜、5気圧防水/¥210,000(税抜き予価)、6月発売予定。

「リフレクション・オブ・タイム」では、ニューヨークのマンハッタンにインスパイアされて1965年に製作された人気モデルを、現代の素材によってアップデート。長方形で統一されたダイヤルや時分針にインデックス、水平方向にまとめた日付表示とラドーの錨ロゴなどを忠実に復刻しているが、風防ガラスはダイヤモンドに次ぐ硬度のサファイアクリスタル。ビンテージなスタイルが現代人の目にはむしろ新鮮に感じられるのではないだろうか。

掲載した商品はすべて税抜き価格です。

問/ラドー/スウォッチ グループ ジャパン 03-6254-7330

プロフィル
笠木恵司(かさき けいじ)
時計ジャーナリスト。1990年代半ばからスイスのジュネーブ、バーゼルで開催される国際時計展示会を取材してきた。時計工房や職人、ブランドCEOなどのインタビュー経験も豊富。共著として『腕時計雑学ノート』(ダイヤモンド社)。

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