カジュアルウェア

ファッション トレンド スナップ25
東方神起のチャンミンさんも来場!!
世界最大級のメンズファッション見本市「ピッティ ウオモ」速報。

2018.07.12

大西陽一 大西陽一

ファッション トレンド スナップ25<br>東方神起のチャンミンさんも来場!!<br>世界最大級のメンズファッション見本市「ピッティ ウオモ」速報。

パリ、ニューヨーク、ミラノで発表されるモード系のファッションショーや展示会は、一部の業界人やマニアの方々には刺さるものがありますが、あくまで最先端のクセの強いもの。それとは真逆で、男性のリアルな生活のなかで使えるトレンド提案や定番的な服の展示会としてダントツの認知度があるのが「ピッティ ウオモ」。日本では簡略化されてピッティ(以下この表記)と呼ばれています。

数年前までは、純粋に買い付けのための展示会であり、世界の百貨店や小売店が1年先の商品を発注する場で緊張感が会場を漂い、取引先に合わせたプロ同士のコーディネートのルールがありました。例えば、6月の30℃を超える猛暑でもクラシックなスーツを取り扱うブランドのブースに行くなら、スーツにネクタイをしていくのがマナーでした。

ところが、雑誌のスナップのブームとSNSの普及の波が、このピッティにも押し寄せて、その来場者に変化が起こることに。「SNS映え」するスポット、自分のスタイリングを有名カメラマンに撮影され、しかも世界に発信してもらえるスナップの聖地として知れ渡ったことで、さまざまな分野の人が巡礼に訪れるようになったのです。

この顕著なできごとが今年6月のピッティでありました。なんと!! 日本でも人気の高い韓国のアイドルデュオ東方神起のチャンミンさんが来場していたのです。

400_チャンミン1

東方神起のチャンミンさんは、フィレンツェではステージの衣装とはガラッと違うイメージでした。アメリカの東海岸の上品さのなかにラフな感じを盛り込んだコーディネートとでも言えばよいでしょうか。

カジュアルなジャケットにチェックのタイを合わせた組み合わせですが、実はここに今年のピッティの重要な2大トレンドが隠されていました。チャンミンさんは、プライベートでもファッションにかなりこだわってるようですね!

【トレンド1】
サファリジャケットやトレンチコートといったミリタリー系のデザインのアウターが昨年の秋冬から注目されていました。その流れは、6月のピッティでも継続されていて、デザインは言うに及ばずオリーブグリーンやカーキといったミリタリー系の緑色や茶色がさまざまなところで使われるようになっています。

チャンミンさんのジャケットは、よくよく見るとミリタリー系のブルゾンの生地をパッチワーク生地として使った技ありジャケットなのです。ポイントは、古着によく見られる使い込んだあせたグリーンではなく、きれいめのオリーブグリーン系をチョイスしていること。ここはとても大事ですのでお忘れなく。

400_チョンミン3

その証しに、トレンドセッターとして有名なイタリア ブランドのエルビーエム 1911は、来年の春夏物展示ブースに上の写真のような上品なオリーブグリーンのサファリジャケットをブランドの代表作として出していました。

【トレンド2】
ミリタリー系ジャケットを着る場合は、インナーをモノトーンにしないで、可愛い色や柄を使ってハードなイメージを消す。チャンミンさんは、アメリカのトラッドブランドが夏になるとよく取り上げるマドラスチェックのネクタイをコーディネートのスパイスにしています。それも、タイの生地は英国系のシルクといったクラシックなものではなく、コットンのカジュアルな色めのものを選んでいるところが技ありテクですね。

上の写真のエルビーエム 1911のコーディネートでも、ライトグリーンの水玉柄のリネンストールがスタイリングをほどよく大人の甘口スタイリングにしています。

400_チャンミン2

ちなみにチャンミンさんの全身のコーディネートは、こんな感じ。白のコットンパンツを合わせていることで、清潔感もプラスされています。ピッティの6月の定番パンツとも言える白パンツは、チャンミンさんのような若い世代から60歳くらいの重鎮スタッフまで広く愛用されています。

400_チョンミン4

この御仁もモスグリーンのミリタリージャケットに白パン。足元はチャンミンさんと同じく王道のローファー。もう少しカジュアルに見せたい場合は、スニーカーという手もありますね。

今回はここまで。次回のピッティレポートも早々にアップしますね。お楽しみに。

プロフィル
大西陽一(おおにし・よういち)
数々の雑誌や広告で活躍するスタイリスト。ピッティやミラノコレクションに通い、日本人でもまねできるリアリティーや、さりげなくセンスが光る着こなしを求めたトレンドウオッチを続ける。

Photograph & Text:Yoichi Onishi

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