カジュアルウェア
ファッション トレンド スナップ27
イタリアで白パンツは、夏の超定番品。
ジャケットとの合わせ方のテクニックを解説!!
2018.08.01
ピッティ期間中は、フィレンツェの街中や会場内で白のパンツを頻繁に見かけます。それも、カジュアルなスタイルからジャケットに合わせるスタイルまで幅広いのが特徴。
日本は、クールビズも浸透しノータイは当たり前、ボタンダウンシャツやビジネス向きポロシャツなどさまざまなものが夏のビジネスシーンで一般的になりました。しかしこと下半身に関しては、バリエーションが乏しいのが現実。パンツは、スーツでなじみのあるネイビーやグレーがほとんどで、足元もスーツのときと同じ革靴というスタイルがほとんど。
そこで今回は、下半身に注目。特にメジャーな白パンのなかでも、日本のビジネスマンの方も採り入れられそうなスタイリングをピックアップ。ビジネスではくのは難しいという職種の方は、休日のお出かけや、ゴルフのときの参考にしていただければと思います。
トップバッターは、このカップル。彼は、ネイビージャケットに白パンのお手本のようなスタイリング。見た目にも、清潔感があり涼しげに見えますね。
白パンは、着こなしのポイントを押さえれば毎朝の服選びに悩むこともなくコーディネートできるので、日本のビジネスシーンでもっと増えてもいいのではと思います(もちろん職種によりますが)。
<基本コーディネート1>
白パンツのときのシャツは、ストライプを選ぶ。
ただし、地の色は白で、そこにネイビー、ブルー、グレーなどの寒色系ストライプを。こうすると上半身がキリッと締まって見えます。
<基本コーディネート2>
ジャケットは、無地のネイビー系。
素材は、サマーウール、リネン、コットンなどの夏用素材であればなんでもOK。ちなみにこの御仁はダブル ジャケットを着用。涼しげに見せるのと、カジュアルな感じを出すために前ボタンを留めずに着ていますね。実は最近のピッティでは、シングル、ダブル問わずジャケットのボタンを留めない方がほとんどなのです!!
<基本コーディネート3>
足元は、白スニーカー。
こうすることで、下半身が白でつながりスッキリ見えます。それと脚を長く見せる効果もあります。この御仁は、レザーのスニーカーをチョイスしていますが、ここがポイント。キャンバス素材やスポーツ系デザインの白スニーカーでも悪くはありませんが、少しカジュアル感が出すぎてしまいます。
会社にスニーカーはちょっとな……という方には、ここを黒や茶のローファーにしてはいかがでしょう?
<ピッティ 最新テク>
この御仁のスニーカーのヒモの結び方に注目してください。
なんと一度蝶結びにしたヒモの先端部分を内側にクルッと巻き込んでいるのです。こうすることで、結んだヒモがはずれにくくなり、足元がごちゃごちゃしないので下半身のシルエットがシャープに見えます。
一般的にはピッティと言うと派手な着こなしばかりが注目されがち。個人的には、そうした人ばかりではなく、ジャケットのそで丈の1cmにこだわるとか、靴ひもの結び方をアレンジするといったような小さな部分にこだわりをもつことでオリジナリティーをアピールしている人がいることも伝えたいと思っています。
こちらの御仁は、ジャケット&白パンツの上級者編。
淡い茶色のジャケットに白のコットンパンツという組み合わせ。足元はベージュのスエード素材のスニーカー。一般的には茶色は暖色系なので夏は敬遠されがちですが、白のパンツを合わせることで涼しく見せています。
この御仁と前の御仁に共通する白パンをはくときの大事なポイントがあります。
それは、パンツの股下の長さ。二人とも、足のかかとにあたるくらいか、くるぶしが見えるくらいの短めにしていますね。こうすることで、スニーカーのもっている軽快な感じをうまく引き出しています。
それに足首をちらっと出すだけで、涼しくなった感じがするはずです。これは、手首や首などと同じで血管が最も集まっている部分が冷えると涼しく感じやすいのです。パンツのクールビズ対策で見落としぎみなポイントなのでお忘れなく。
最後の締めはこの白パンのご御婦人で。最近の女性もののパンツのトレンドは、ワイドシルエット。メンズでも一部のモード系ブランドでは、パンツのシルエットは確実に太くなっていますが、ことピッティではまだまだ。
連日の猛暑で「ジャケットを着るような気分になれないよ!!」と言う人のために、次回は猛暑でも真似できそうなコーディネートを選んで見ますね。
プロフィル
大西陽一(おおにし・よういち)
数々の雑誌や広告で活躍するスタイリスト。ピッティやミラノコレクションに通い、日本人でもまねできるリアリティーや、さりげなくセンスが光る着こなしを求めたトレンドウオッチを続ける。
Photograph & Text:Yoichi Onishi