美しい時計

リゾート アイランドのウオッチブランド

2018.08.08

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イタリア半島とコルシカ島の間に浮かぶエルバ島をご存じだろうか? コバルトブルーのティレニア海に囲まれたリゾート アイランドで、そこかしこに美しいビーチが点在し、ダイビングスポットにも恵まれている。

ナポレオン・ボナパルトが、1814年にフランス皇帝からの退位を余儀なくされ、翌年パリに帰還して復位するまでの299日間をこの島で過ごしたことや、フリーダイビング界のレジェンド、ジャック・マイヨールがここで生涯を閉じたことなど、歴史やエピソードに彩られた島としても知られている。

この島に本社と工房を構えるウオッチブランドがある。それがロックマンだ。

ロックマンは、エルバ島に代々続く名門家系出身のマルコ・マントバーニ氏(写真下)によって1986年に創業された。当初は、いくつかの有名ブランドのウオッチデザインを手がけていたが、96年から自社ブランドモデルを展開。イタリアンテイストのインパクトのあるデザインやカラーリングで人気を広げ、日本でもイタリア好きな人を中心にファンを獲得していった。

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最近では、デザインのみならず、本格志向のクオリティーの高さでも注目を集めている。まず、2006年に自社製クロノグラフ・キャリバーを開発し、イタリアで唯一の自社一貫生産体制を有したマニュファクチュールという“称号”を手にする。

続いて、高級素材とされるフォージド・カーボンをケースに使いながら、自社内で切削加工することなどによってコストを大幅に抑えた「ステルス トレチェントメトリ」コレクションが大きな話題に。昨年は高級ムーブメントのサプライヤーとして知られるレマニア社製のデッドストックムーブメントを搭載した限定モデルを発表し、時計通から熱い視線を集めた。

日本では、2015年春にロックマン・ジャパン社が設立され、昨秋には銀座にブティックもオープン。これにより、国内での認知度が急速に高まってきた印象がある。

ピッティ・ウォモに出展する理由

そんなロックマンは、フィレンツェで開催される世界最大のメンズファッションのエキシビション、ピッティ・イマジネ・ウォモに、6~7年前から出展している。昨年までは、スイスの一大時計・宝飾エキシビション、バーゼル・ワールドにも出展していたが、今年からこちらは取りやめ、新作発表の場をピッティに絞ってきた。

創業者で社長のマルコ・マントバーニ氏は、こう説明する。

「バーゼル・ワールドの出展コストの高騰がささやかれていましたが、それだけでなく、バーゼルでは、スイス・ブランドを重視する傾向が強い。我々が創り出しているのは、100%イタリアンな、アート志向で、人生を楽しむための時計であって、スイスウオッチとはまったく性格の異なるものです。我々のスタンスを伝えるには、ピッティがふさわしいと考えたのです」

6月のピッティでは、トノウ型の新作『トレミラ』(写真下はその一部)と、これにさきがけて発表されていた、イタリアンモーターサイクル界の雄、ドゥカティとのコラボモデルもブースのショーケースを飾った。

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『TREMILA(トレミラ』クォーツクロノグラフ。SS&チタンケース。サイズ50×38mm、100m防水。¥108,000
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『TOREMILA(トレミラ)』クォーツクロノグラフ。SS&チタンケース。サイズ50×38mm、100m防水。¥108,000

「『トレミラ』は、2006年に発表して人気を博し、復活を望む声の多かったモデルをベースにしています。近年、トノウ型の人気はやや落ち着いていましたが、トレンドを先取りすることを意識して、このデザインを採用しました。ドゥカティとのコラボは、イタリアのブランド同士として、伝統や文化性、クオリティーに対する考え方、技術的な部分など、共有できるものが多く、実現に至りました。今回のモデルを足掛かりに、来年はドゥカティのデザインチームと一から新作を共同開発する方向で話を進めています」

ヨットハーバーに面したファクトリーで

ピッティの後、エルバ島にあるロックマン本社を訪ねた。実は、筆者は2年ぶり2度目の訪問だったのだが、ここはサプライズに満ち満ちた場所だと、改めて実感させられた。

一般的に言って、腕時計のファクトリーは、スイスの静かな山村にあるケースが多い。それに対して、ロックマンの本社と工房は、何艘ものヨットが係留されているハーバーが目の前というロケーション! 工房内からは、パラソルの花が咲くビーチまでも見渡すことができる。スイス時計とは一線を画す、というマントバーニ社長も言葉もうなずける。

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「海が目の前であっても、日本企業から導入した空調システムで、防塵・温度・湿度管理は万全を期していますよ(笑)。今後は、このエルバ島に世界各地から時計ジャーナリストを招き、我々のモデルのインスピレーションとなっている、この島の素晴らしい自然や、リラックスできる環境とともに、ロックマンの時計を紹介していきたい」

ロックマンは、S.I.O.という時計学校を運営していることも特筆に値する。技術者の育成、メンテナンスの指導に加え、研究・開発もこのS.I.O.が担っている。そのスペースは、工房の上のフロアに設けられているのだが、なんとその隣にはロックマンが経営するレストランも併設されているのだ。品質や精密な作業に対する高い意識の一方で、このリラックス感にあふれた風通しのいい環境ときたら! ほかの時計ブランドには絶対にまねのできない雰囲気が、そこにあった。

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「現在、新しいムーブメントの開発も進めており、近々発表できると思います。2002年から約10年続いたイタリアの陸・海・空軍とのコラボモデルも復活させたい。エルバ島の環境にふさわしいマリンテーストの新作も考えています。イタリア国内の腕時計シーンにおいてリーダー的ポジションを確立したいと思っていますが、独立したファミリー企業としてフレキシブルな考え方を大切にしながら成長していくことが大切でしょう。美しく、長く愛用してもらえる、人生を楽しむ人のため時計という、我々らしさを忘れてはいけませんから」

降り注ぐ陽光、心地よい海風、空と海の青、咲き誇る花の色と豊かな緑――そんなエルバ島の自然と、イタリアならではの情熱的なテースト、そして品質へのこだわりが混然一体となったロックマンの時計。ドルチェ・ヴィータな時を刻むのに、これほどぴったりのものはない。

掲載した商品はすべて税抜き価格です。

問/ロックマン ジャパン 03-6264-5552
https://www.locman.jp/

【Information】
イタリアのエルバ島を感じるmick park写真展”Simpatico 1960(シンパティコ)”
会期/2018年8月3日(金)~9月7日(金)※無休 
時間/午前11時~午後7時30分
会場/LOCMAN銀座本店 
東京都中央区銀座5-9-12 ダイヤモンドビル1F
TEL/03-6264-5552

アペリティーボ&トークイベント
イタリアの愛すべきカフェ文化"アペリティーボ”を体感していただきながら、写真とトークをお楽しみください。
日時/2018年8月24日(金)
時間/午後4時〜20時30分
入場料/完全無料(ワイン&軽食をご用意しております。)
参加方法/先着45名様 LOCMAN 公式WEBの参加フォームより先着順

Text:Yasushi Matsuami
Photograph:mick park

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