旅と暮らし

昭和歌謡×R&Bという新ジャンルで音楽シーンを賑わせる、Kick a Showとは?

2018.08.15

昭和歌謡×R&Bという新ジャンルで音楽シーンを賑わせる、Kick a Showとは?

DJユニット、MO’TENDERS(モーテンダーズ)の歌唱を担当するKick a Show(キッカショウ)。ソロとしてのデビューアルバムを2018年2月14日にリリースした。

Kick a Show。名前を聞いてピンと来る人はまだ少ないだろう。

彼が注目を浴びることとなったのは、大沢伸一率いるMONDO GROSSO(モンド・グロッソ)の14年ぶりとなるニューアルバム『何度でも新しく生まれる』(2017年6月7日に発売)のなかにある。このアルバムといえば、満島ひかりがゲストボーカルとして参加した「ラビリンス」のイメージが強い。だが、ほかにもさまざまなアーティストが参加し、多くの音楽ファンの心をつかんだ楽曲があることを忘れてはいけない。そのうちの「SEE YOU AGAIN」、これこそKick a Showがゲストボーカルを務め、2017年のFUJI ROCK FESTIVALで話題を呼んだ一曲だ。

2018年6月には初のワンマン・ライブも成功させ、同世代のミュージシャンを中心に、客演のオファーも絶えない。そんなkick a Showとはどのような人物なのか。

新潟県出身のKick a Showが東京にやって来たのは約3年前。上京当時は本格的に音楽活動をしておらず、カレー屋で働いていた。

シンガーというポジションを確立したのは渋谷のクラブでの行動がきっかけだという。「地元の仲間たちとクラブで遊んだり曲を作ったりしていたんですけど、仲間うちでの自分の役割がなくて……、そこで先輩方のDJ中にマイクを持って横でサイドキック(合いの手)を入れたのが始まりですね」と話すとおり、Kick a Showの歌声は、“話しているような歌声”という印象を受ける。敬愛する先輩への愛ある合いの手から歌うことに発展した進化系ということなのだろう。

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リリックの作り方

Kick a Showは楽曲のリリックすべてを手がけている。Kick a Showいわく、彼はR&Bシンガー。そのリリックでR&B感を生み出す方法がおもしろい。「僕が尊敬するR&BシンガーのR・ケリーの自伝を読んだときに少し下品な“ある”英単語を入れると全部R&Bになるって書いてあって。その言葉を入れると本当にR&Bっぽくなるんですよ! なので、下ネタというか男女関係的な要素を入れて成り立たせていますね。R・ケリー師匠が言うから間違いないと(笑)」

R・ケリーを師匠と仰ぐKick a Showの新アルバムには、R・ケリー感がどれほど入っているのかと思ったら、意外にもそこに日本の歌謡曲っぽさがプラスされていた。特に注目なのが「0時ちょうど」。どこか懐かしいような言葉の響きに、リリック作成時のことを訊いた。

「この曲を制作しているときに、プロデュースを務めてくれたOkadadaさんとも話していたんですが、歌手の南 佳孝さんのリリックが好きなんです。たとえば『オンボロ車で迎えに行くよ』っていう、ちょっとキザな感じとか。昭和のダンディズムと南さんの歌声が絶妙なんです。それをモチーフに昭和の歌謡曲っぽい言葉の選び方をしているところはありますね」

そう、Kick a Showの楽曲には“昭和の歌謡曲とR&B”が融合されたような不思議な感覚がある。ぜひ、その曲を一度聴いてみてほしい。

歌だけじゃない!

また、彼の魅力はルックスにもある。モデルとしてファッション媒体に登場したこともあり、すらっとした細身のスタイルはどんな服も見事に着こなす。

「ヘンリック・ヴィブスコフやソウルランドといったヨーロッパのブランドが好きです。いろいろな服を着てみたい気持ちがあるので、モデル業もチャンスがあったら挑戦してみたいですね」。約2年で大舞台に立った実績があるKick a Show。すでにモデルとしてミハラヤスヒロや、Yoji Yamamotoのセカンド・ラインであるS’YTEなど、名だたるブランドでも実績を積んでいる。

だが、まずは彼の音楽を知ってみることにしよう。「昭和歌謡R&B」という新ジャンル。記者はこれを書いているあいだにKick a Show代表曲の「友達以上恋人未満」を気づいたら口ずさんでいた。CM曲のように一度耳にしたら鼻歌を歌ってしまう現象。それが彼の歌にはあるのか? 実際に聞いて感じてほしい。

※デビューアルバム『 The Twelve Love』好評発売中!

※「友達以上恋人未満」7インチ発売中!

※Kick a Show参加楽曲、TOKYO HEALTH CLUB「HなGAL feat. Kick a Show」が『ゴッドタン』8月エンディング曲としてOA中!

Photograph:Sunao Ohmori(TABLE ROCK.INC)
Text:Mayu Yamamoto

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