調べ・見立て

編集長の「見立て」。
出張のお土産、いちばん大切なのは渡し方です。

2018.08.21

写真・図版 山本 晃弘

写真・図版

お盆休みが終わって仕事に戻ると、帰省先からのお土産でオフィスがにぎやかになることがあります。休暇中のエピソードを話しながらお菓子をおいしくいただくのは、仕事が本格的にスタートする前のアイドリングともいえる和みの時間です。ただ、一斉休暇が取れずにお盆の期間中も働いていた仲間がいる場合には、ねぎらいの言葉をかけることも忘れてはいけません。

さて、仕事で出張したとき、あなたはお土産を買いますか? アエラスタイルマガジンWEBの「調べ・見立て」では、2018年6月4日に掲載した「ビジネスマナー世論調査」でこの質問を投げかけています。結果は、「必ず買う」37%、「ときどき買う」37%、「海外出張の場合は買う」8%となりました。「買わない」というビジネスマンは、18%と少数派です(2018.8月20日現在)。

私自身は、試行錯誤した結果、ひとつの線引きを作りました。「日帰り出張では、お土産を買わない。1泊以上の遠方への出張や海外出張では、お土産を買う」。これが、現在のマイルールです。遠方や海外出張で何日かオフィスを空けてしまう場合には、その期間の自分のデスクワークを代わりにしてもらう必要が出てきます。その方へのお礼として、お土産を買おうと考えたわけです。加えて、経理の方であるとか、内勤の方であるとか、出張に行く機会がなかなかない方に、出張先ならではのお土産を渡すと特に喜ばれます。

そのときにいちばん大切なのは、自分で直接手渡すこと。そのために、できるだけ小分けにできるものを買うようにします。味にバリエーションがあるものなら、配るときに「どれを選びますか?」といったやりとりをする。ひと言でもふた言でも会話を交わしながら手渡すのも大事かな、と思います。渡し方にはいろいろなスタイルがありますが、例えば、部下に箱ごと渡して代わりに配らせるというのは下品なことなので、すぐにやめてください。お土産というのは、渡す相手が身内であっても、どういう気持ちで渡すかが重要です。

どんな会社や組織にも、伝統とは言わないまでも、手土産に関する習慣のようなものがあると思います。あの地方に行ったら、必ずあのお菓子を買ってくるとか。いいところはまず学び、そのあとに自分の流儀を加える。上司や先輩にもらってうれしかったお土産の品は、どんどん採り入れていけばいいのです。出張のお土産で発揮すべきは、渡すもののオリジナリティーではなく、渡し方の美しさ。そこに、あなたの気持ちが宿っているのです。

プロフィル
山本晃弘(やまもと・てるひろ)AERA STYLE MAGAZINE
編集長

「MEN’S CLUB」「GQ JAPAN」などを経て、2008年に朝日新聞出版の設立に参加。同年、編集長として「アエラスタイルマガジン」をスタートさせる。新聞やWEBなどでファッションとライフスタイルに関するコラムを執筆する傍ら、幅広いブランドのカタログや動画コンテンツの制作を行う。トークイベントで、ビジネスマンや就活生にスーツの着こなしを指南するアドバイザーとしても活動中。初の執筆書籍「仕事ができる人は、小さめのスーツを着ている。」を、3月16日に刊行。

Photograph : Matsuzaki Hiroyuki(INTO THE LIGHT)
Styling : Tomohiro Saito(GLOVE)
Hair Make : RYO (COME & HAIR)

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