美しい時計

バーゼルワールド2018 レポート
ビクトリノックス・スイスアーミー

2018.08.28

写真・図版

年明け1月のSIHH(ジュネーブサロン)に続いて、バーゼルワールドがスイスで3月22日〜27日に開催された。1917年から始まった商品見本市をルーツとして、昨年に100周年を迎えた国際的な時計と宝飾の展示会。多彩な新作が数多く披露された。今年のトレンドは最後にまとめるとして、日本でも人気の高い有力ブランドから注目のモデルをピックアップしていく。

頑強で人気の「イノックス」に初の自動巻きとチタンを追加

ビクトリノックスはスイス陸軍に納入するソルジャーナイフのメーカーとして発展。1989年から時計にも本格参入し、ミリタリー由来の質実剛健な機能性を備えながらも、ユニークなモデルを数多くリリースしてきた。近年の人気コレクションは、やはり創業130周年記念として2014年に発表された「イノックス(I.N.O.X.)」。130にも及ぶスーパーハードな耐久テストをクリアした、過剰とも思える強靱(きょうじん)さが魅力的な個性となり、ブランドを代表するコレクションに急成長している。

ちなみに「イノックス」の名称は、1921年に発明された錆などに強い画期的なステンレススチールのフランス語「Inox(Inoxydableの略称)」に由来。それ以前に、ブランド名も同年にそれまでの商標「ビクトリアVictoria」と「Inox」を組み合わせて「ビクトリノックスVictorinox」に改名したという背景がある。創業期からの軍隊向けナイフ作りと、1989 年から始まった時計りという2つの異なる時代、2つの異なる技術を結びつける哲学とポリシーが込められたキーワードとして命名されたという。

このため、ケースは鍛造で硬度が高く、ネジ込み式のリュウズとケースバックによって200m防水。リュウズガードが盛り上がった、いかにも頑強で堅牢なスタイルだけでなく、シリコンとナイロンで作られた脱着式のバンパープロテクターが付属していることも魅力だ。ダイヤルの視認性を妨げることなく、ケース全体を覆って衝撃やすり傷などから時計を保護する機能をもつ。

今年の新作も「イノックス」のバリエーションが目立った。なかでも、このコレクションでは初となる自動巻き「イノックス メカニカル」が登場。前述した130もの過酷な耐久テストをクリアすることが条件となっているため、これまではクオーツのみだったが、ETA 2824-2 自動巻きムーブメントの搭載を実現。ただし、テストの内容や審査基準はクーツモデルとは異なるという。スタイルはクーツモデルとまったく同じで、防水深度も200m。このブランドらしくストラップにも特徴があり、表面に木の繊維を加工・処理しており、独特の雰囲気になっている。

写真・図版
「イノックス メカニカル」。このコレクションでは初の自動巻きモデル。ストラップの表面は木の繊維。ケースはステンレススチール。ブレスレットタイプも選べる(¥111,000・税別)。直径43㎜、200m防水、\105,000(税抜き)、11月発売予定。

「イノックス プロフェッショナル ダイバー タイタニウム」は、ステンレススチールではなく、軽量で強度の高いチタンをケースに採用したダイバーズモデル。2015年に登場してヒットアイテムになったパラコードをストラップに組み合わせている。このパラコードは最先端のハイテク繊維であるテクノーラを編み込んでおり、ステンレススチールの8倍もの強度を誇るという。ストラップの織りをほどけば長さ90cmのパラコード2本となり、それぞれ250㎏の荷重に耐えるため、緊急時のサバイバルツールとしても利用できる。ブルーのダイヤルに合わせた迷彩柄も印象的だ。

写真・図版
「イノックス プロフェッショナル ダイバー タイタニウム」。サンドブラスト仕上げのチタンケースに迷彩柄の強靱なパラコードの組み合わせ。クオーツ、直径45㎜、200m防水、ラバーストラップと取りはずし可能なレンズ付きバンパーが付属。\105,000(税抜き)

ケース径を37㎜にサイズダウンしたコンパクトな「イノックス V」も新登場した。ピンクダイヤルは女性向けだが、ブラックとカーキグリーンもそろっており、メンズとしても愛用できる。

写真・図版
「イノックス V」。ケース径を37㎜にサイズダウン。ローズゴールドをPVD加工したステンレススチール。クォーツ、200m防水。\73,000(税抜き)。ブラックとカーキグリーンのダイヤルもラインナップ。

問/ビクトリノックス・ジャパン 03-3796-0951

掲載した商品はすべて税抜き価格です。

プロフィル
笠木恵司(かさき けいじ)
時計ジャーナリスト。1990年代半ばからスイスのジュネーブ、バーゼルで開催される国際時計展示会を取材してきた。時計工房や職人、ブランドCEOなどのインタビュー経験も豊富。共著として『腕時計雑学ノート』(ダイヤモンド社)。

あなたへのおすすめ

トレンド記事

  1. 写真・図版

    ビジネスマンファーストな、エースのバックパック

    旬のおすすめ

    2018.09.11

  2. 写真・図版

    ザ・ノース・フェイスのリュック
    自転車通勤にうれしいスペックが満載。

    旬のおすすめ

    2018.05.17

  3. 写真・図版

    世界各国、セレブ御用達SUV。
    レンジローバー

    旅と暮らし

    2018.09.13

  4. 写真・図版

    ポロシャツの解禁は台襟付きが条件。
    [仕事着の新ルール]

    旬のおすすめ

    2018.07.04

  5. 写真・図版

    誰もが魅了される9頭身のヘルシーボディー、朝比奈 彩

    旅と暮らし

    2017.06.27

紳士の雑学

調べ・見立て