接待と手土産
すべて実食! 自慢の手土産。#2
「ガスタ」のチーズケーキ
2018.10.10
7月にスペインのバスクから初上陸。門外不出のレシピのチーズケーキ。
「日本初上陸」「門外不出」「名店」のチーズケーキと聞けば、食通ならずとも気になるところだが、今週のオススメの手土産は、今年7月に白金にオープンしたばかりの「ガスタ(GAZTA)」のバスクチーズケーキだ。店名のGAZTAは、バスク語でチーズを意味する。世界有数の美食の町、バスク地方サンセバスチャンにある名門バル「ラ・ヴィーニャ」の大人気のチーズケーキが、そのまま日本でも味わえるのだ。
ラ・ヴィーニャは1958年創業の家族経営のバルで、秘伝のレシピを知るのは身内のみ。そんな魅惑のレシピを世界で唯一知ることを許された日本人パティシエールがその味を忠実に再現している。
こんがりと焼き上げられたチーズケーキは、想像以上にボリューム感があり、ボックスを開けたときのインパクトは絶大だ。しっとりとして濃厚だが、甘さは控えめで食べやすい。チーズの酸味はほとんど感じられず、ほんのりとした甘さとコクが口いっぱいに広がる。外側は少しプルプルとした弾力があり、中心部はねっとりとクリーミーな2層構造になっている。ほかでは味わえない独特の食感がたまらない。
1人用の8cmと、6名~8名用の15cmの2サイズ。店内にはこの2種類のチーズケーキがずらりと並ぶ。焼き上がったチーズケーキは木製の棚に並べられるのだが、独特の穴の開いた通気性のある棚が重要なのだそう。木製なので熱の伝わりが柔らかく、ゆっくり熱を冷ますことで、中をしっとりクリーミーに仕上げることができるのだ。
ホームパーティーなら15センチのホールもおすすめだが、そのほかのビジネスシーンでは、1人用の8センチサイズの使い勝手がよさそうだ。「今年7月日本初上陸」「門外不出のレシピ」「サンセバスチャンの名店」と話題性も十分。現在は白金高輪の1店舗のみ。わざわざ買いに行ったという特別感もプラスされて、手土産としての評価は絶大だ。
ただ、要冷蔵に加え、日持ちが3日なので、先方の状況を熟知した相手にこそ向いている。贈る相手を思いながら商品をセレクトするのも醍醐味のひとつ。絶品チーズケーキを頰張る、うれしそうな様子を目に浮かべることができる相手なら、潤滑油にはもってこいだ。たかが手土産、されど手土産。相手を思いやる気持ちを込めてこそ、手土産は真価を発揮するのだ。
ガスタ
東京都港区白金1-14-10
営業時間/9:00~19:00
定休日/月曜日 ※月曜日が祝日の場合は翌日火曜日に振替
価格/バスクチーズケーキ 大(約15cm)4,320円、小(約8cm)756円
※価格はすべて税込。
問/03-3440-7495
Photograph:Hiroyuki Matsuzaki(INTO THE LIGHT)
Styling:Keiko Katanozaka
Edit & Text:Mayo Morino