カジュアルウェア
ファッショントレンドスナップ33
この秋人気急上昇のバンドカラーシャツの着こなし方を
イタリア スナップから解説。
2018.10.25
バンドカラーシャツ、スタンドカラーシャツと呼ばれているエリのついていないシャツがモードブランドからユニクロといったブランドまでがこぞってラインナップに上がっています。その昔マオカラーシャツ(昭和のバブル期くらいまではこの呼び方)と呼ばれていたこともあるもので、年配の方にはこちらのほうがピンとくるかも。
ミラノで発見したバンドカラーシャツのこの御仁は、ミラノらしくリラックスしているけどこなれ感があるスタイリング。休日のお出かけスタイルにはピッタリですね。
着こなしのポイントは、シャツのすそを出しているところ。ただし、こうしてもすそ周りがだらしなく見えないのは、このシャツの前身が2つに割れていないデザインで、かぶって着るタイプのシャツだから。プルオーバーシャツとも呼ばれているもので、この御仁のシャツは正確にはバンドカラーのプルオーバーシャツと呼ぶべきものでした。
もうひとつこの御仁が、都会的に見えるポイントがあるのですがどこでしょうか? 答えはこの深いグリーン。この色は、レディース&メンズ共に今年最も注目されていて、秋冬にも引きつづくトレンドです。
こちらの御仁は、上下白でまとめていますが、バンドカラーシャツは麻、パンツは綿と素材感を変えることでコーディネートをまとめています。
着こなしで注目したいのは、この御仁はシャツのボタンをいちばん上まで閉めているところ。こうしたことと丸いフレームの眼鏡&ひげとがあいまってクラシックで紳士的な感じがすごく出ていますね。
こちらの御仁はフィレンツェのピッティでのスナップ。ミラノのシンプルなコーディネートと違って、細かいところにピッティならではの技が盛り込まれています。
最近のピッティで見られる小物使いのトレンドに、バンダナやネッカチーフなどを首に巻き付けるスタイルがあります。この前の6月には、Tシャツやドレスシャツと合わせていた人をかなり見かけましたが、バンドカラーシャツに巻くというのはこの御仁くらいでしたが、かなり斬新で真似したい技。結び方は普通の固結びでOKです。
最後の御仁は、ジャケットにバンドカラーをあわせるとこんなにスマートにまとまるという例。
ジャケットにTシャツというのはよく見かけますが「流石に体型的にTシャツは恥ずかしい……」という方には、バンドカラーシャツでぬけ感を出してみてはいかがでしょうか。首周りはTシャツのように見えますが、ジャケットを脱ぐと長袖シャツなのでキチッと感がアピールできます。それにB.D.シャツよりトレンディな感じが出せます。
次回は、かなり秋を意識したコーディネートを選ぶ予定です。
乞うご期待を。
プロフィル
大西陽一(おおにし・よういち)
数々の雑誌や広告で活躍するスタイリスト。ピッティやミラノコレクションに通い、日本人でもまねできるリアリティーや、さりげなくセンスが光る着こなしを求めたトレンドウオッチを続ける。
Photograph & Text:Yoichi Onishi